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呈
「呈〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呈の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
おとなの諸君には、ビスケットの袋を、少年少女の諸君には、塩せんべいと餡パンとを、
呈上した。区役所の吏員や、白服の若い巡査が「お礼を言って、お礼を言って」と注意す....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
るいは持ち合わせていなくっても、文章の上だけでおくめんもなく滂沱《ぼうだ》の観を
呈しえたような心もちがする。その得意になって、泣き落しているところが、はなはだ自....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》い、三日間|人事不省《じんじふせい》なりしより、爾来《じらい》多少精神に異常を
呈せるものならんと言う。また常子夫人の発見したる忍野氏の日記に徴するも、氏は常に....
「或る女」より 著者:有島武郎
び》のような勢いで全国に広がり始めた赤十字社の勢力にもおさおさ劣らない程の盛況を
呈した。知事令夫人も、名だたる素封家《そほうか》の奥さんたちもその集会には列席し....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
太陽上層のいわゆる色球、すなわち、太陽光雲の上にあって水素ガスに特有な薔薇紅色を
呈しているガス層の高さを日食の際に測定した結果は約八〇〇〇キロメートルとなってい....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
客、鍋で御酒――帳場ばかりか、立込むと出番をする。緋鹿子の襷掛けで、二の腕まで露
呈に白い、いささかも黒人らしくなかったと聞いている。 また……ああ惜しいかな、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
色も、従うて蟻の動くのも、露のこぼるるのも知らねばならないので、地平線上に異状を
呈した、モウセンゴケの作用は、むしろ渠がいまだかつて見も聞きもしなかったほど一層....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
籠めて遣せる一産物たるには相違ないのである。今や製本成り、紀念として之を座右に謹
呈するに当たり、この由来の一端を記すこと爾り。 淺野正恭 霊界通信――即ち霊媒....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
用具と化し、古経典は、空しく各自の気に入った武器を引張り出す為めの、兵器庫の観を
呈して了った。 兎に角そうした手続で出来上った所謂神学が、われ等の主張と相容れ....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
次第として、祝賀委員が、審議の上、その仮装の優秀なるものには、三等まで賞金美景を
呈すとしたのに、読者も更めて御注意を願いたい。 だから、踊屋台の引いて帰る囃子....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
く見ると、まるの裸体……いや、そうでない。あだ白い脚は膝の上、ほとんどつけ根へ露
呈なのですが、段々瞳が定まると、真紅な紅羅の花を簪にして、柳条笹のような斑の入っ....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
晴れ切った冬の夜空に、探海燈の光輝のようなものが或は消え或は現われて美しい現象を
呈したのを見た。彼は好奇心の余り、小樽港に碇泊している船について調べて見たが、一....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
てその内情を暴露した自由党は、さらに、池田通産大臣の不信任にあって党内不一致を露
呈し、また多数党たる自己政党の総裁を懲罰委員会に付するがごとき、また不信任案上程....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
ことがある。案内者の名を仮に粂吉と呼ぶ。幾春秋山中の日に焦かれた彼の顔は赤銅色を
呈している。翁の面のようにも見える。長い眉毛が長寿不老というような語を思わせる。....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
軍のベルギー侵入よりマルヌまでの作戦はあたかもロイテン会戦を大々的に拡大した観を
呈している。 ところが持久戦争に陥り戦線が逐次縦深を増して来るに従い、会戦指揮....