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「呉服屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呉服屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
綿《もめん》を六尺買わせて下さい。」 晒し木綿を手に入れることはわざわざ近所の呉服屋へお松を買いにやるまでもなかった。 「しめるのはわしが自分でしめます。ここ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ばらくの間《あいだ》は不承不承《ふしょうぶしょう》に、一昨年《いっさくねん》ある呉服屋へ縁づいた、病気勝ちな姉の噂《うわさ》をしていた。 「慎《しん》ちゃんの所....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
《そもそも》の発端なのです。何でも六月の上旬ある日、新蔵はあの界隈《かいわい》に呉服屋を出している、商業学校時代の友だちを引張り出して、一しょに与兵衛鮨《よべえ....
或る女」より 著者:有島武郎
に来るまで快い安眠に前後を忘れていた。 二四 その次の朝女将と話をしたり、呉服屋を呼んだりしたので、日がかなり高くなるまで宿にいた葉子は、いやいやながら例....
星座」より 著者:有島武郎
の危地から自分を救いだす方策はすぐにでき上っていた。彼は得意先を丸めこもうとする呉服屋のような意気で、ぴょこぴょこと頭を下げた。そのくせその言葉はずうずうしいま....
婦系図」より 著者:泉鏡花
話ずきであるから、玄関に引きも切れない来客の名札は、新聞記者も、学生も、下役も、呉服屋も、絵師も、役者も、宗教家も、……悉く夫人の手に受取られて、偏にその指環の....
江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ったので、車輪は極く小くして、轅を両腋の辺に持って、押して行く車で、今でも田舎の呉服屋などで見受ける押車です。この車が大いに流行ったもので、三泣車がないと商家の....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
落行かねばならない羽目で、千葉へ行って芸妓になった。 その土地で、ちょっとした呉服屋に思われたが、若い男が田舎|気質の赫と逆上せた深嵌りで、家も店も潰した果が....
南地心中」より 著者:泉鏡花
。 分けてこの二三日は、黒焼屋の蛇が売れ盛るって言います……誓文払で、大阪中の呉服屋が、年に一度の大見切売をしますんでね、市中もこの通りまた別して賑いまさ。 ....
元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:井原西鶴
きたいと云って居る。千軒もあるのぞみ手を見定め聞定めした上でえりにえりにえらんだ呉服屋にやったので世間の人々は「両方とも身代も同じほどだし馬は馬づれと云う通り絹....
あのころ」より 著者:上村松園
そうです。 この祖父が京都高倉三条南入ルのところに今もあるちきり屋という名代の呉服屋につとめて、永らくそこの支配人をしていましたそうです。 夏は帷子、冬はお....
好きな髷のことなど」より 著者:上村松園
、私は九条武子夫人を思い出します。 武子さんは生前自分で着物の柄などに就いて、呉服屋にこんな風なものあんな柄のものと頻りに註文していられました。この間内から大....
錦紗」より 著者:犬田卯
た顔が重り合うように覗いていて、何かどなっている。ああ、やっぱりあのご連中も町の呉服屋へ買いものに行くんだ。お通は渦巻く砂塵をとおして左手を振りながら、ただそれ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
、客の方がかえって気の毒になる位、別段腹も立てなければ愛想も尽かさず、ただ前町の呉服屋の若旦那が、婚礼というので、いでやかねての男振、玉も洗ってますます麗かに、....
雨の宿」より 著者:岩本素白
場所であった。然し実際私の落ちついたのは、中京も淋しい位静かな町筋の、暗く奥深い呉服屋や、古い扇屋、袋物みせ、さては何を商う家とも、よそ土地の者には一寸分りかね....