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「呉服物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呉服物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
た。 ――「まからんや」は月に二度、疵ものやしみつきや、それから何じゃかや一杯呉服物を一反風呂敷にいれ、南海電車に乗り、岸和田で降りて二里の道あるいて六貫村へ....
恭三の父」より 著者:加能作次郎
尾の或る呉服屋へ養子に行った男から来たのであった。彼は養子に行く前には毎日此村へ呉服物の行商に来た男で、弟様といえば大抵誰にも通ずる程此村に出入して居た。恭三の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
午後の日の光は街道に満ちている時で、諸勘定を兼ねて隣の国から登って来る中津の客、呉服物の大きな風呂敷を背負った旅商人、その他、宿から宿への本馬何ほど、軽尻何ほど....
狂乱」より 著者:近松秋江
ていて、火鉢の中には敷島の吸殻がたくさん灰の中に※してあった。私は腹の中で、ただ呉服物の用ばかりで来ていた客かどうかと自然に疑ってみる気になった。が、もちろんそ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
――ここの御主人、先生のことよく知ってますわ。死んだ親爺さんは越後の三条の人で、呉服物をもってよく先生のとこへ行ったもんだそうですよ。その人は亡くなって、息子さ....
足迹」より 著者:徳田秋声
ろうと思ってね。」と、母親はお庄の顔をまじまじ見ながら言い出した。その家は、村で呉服物などを商う家だということを、お庄も思い出した。お庄は自分の帯など買う時に、....
不尽の高根」より 著者:小島烏水
(そのころの三井呉服店、今の三越)をいおう。大通りをはさんだ両側の屋根看板に、「呉服物類品々、現金掛値なし」と、筆太にしたためた下から、または井げたの中に、「三....
丸善と三越」より 著者:寺田寅彦
は鉄のようにきたえられたに相違ない。 三越の商品のおもなるものはなんと言っても呉服物である。こういう物に対する好尚と知識のきわめて少ない自分は、反物や帯地やえ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に人目を引くように、品物を店頭に陳列するような事はあまりないようでございました。呉服物なども、良い品物は皆特別に織らせたもので、機織がなかなか盛んでございました....
出家物語」より 著者:坂口安吾
う。小さい時からデッチにでたり、色々の商売に失敗したのがモトデになって、ともかく呉服物でも時計や材木や紙のことでも心得があった。芝居の道具方に四年働いていたこと....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
中にあって、自分で使うぶんには誰に気兼ねもいらないという結構な御身分なのである。呉服物は三井、貴金属は何屋、小間物は何屋というようにお買いつけの店はきまっている....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
りに動きまわる生きた人形のようであった。 父が出生地からつれてきて秩父や両毛の呉服物の買いつけに働いていた川根はまったく無用の存在となった。彼のノンビリした商....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
一段と力を入れて、お客にサービスしなくてはならない。 例えば呉服商においては、呉服物を売る場合レーヨンが交っているか否か、レーヨンが入っているとしても、このよ....
寺じまの記」より 著者:永井荷風
見人をして恐怖を感ぜしめるほど陰険な顔もなければまた神経過敏な顔もない。百貨店で呉服物|見切《みきり》の安売りをする時、品物に注がれるような鋭い目付はここには見....
放浪」より 著者:織田作之助
た。 ――「まからんや」は月に二度、疵ものやしみつきや、それから何じゃかや一杯呉服物を一反風呂敷にいれ、南海電車に乗り、岸和田で降りて二里の道あるいて六貫村へ....