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「告別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

告別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
一週間ばかりたった後、玄鶴は家族たちに囲まれたまま、肺結核の為に絶命した。彼の告別式は盛大(!)だった。(唯、腰ぬけのお鳥だけはその式にも出る訣に行かなかった....
或る女」より 著者:有島武郎
お下げにして、帯をおはさみにしめた少女とが、田川と夫人との間にからまってちょうど告別をしているところだった。付き添いの守《も》りの女が少女を抱き上げて、田川夫人....
小作人への告別」より 著者:有島武郎
八月十七日私は自分の農場の小作人に集会所に集まってもらい、左の告別の言葉を述べた。これはいわば私の私事ではあるけれども、その当時の新聞紙が、そ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
が今夜出家するという手筈をフランシスから知らされていた僧正は、クララによそながら告別を与えるためにこの破格な処置をしたのだと気が付くと、クララはまた更らに涙のわ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
、遂に永眠|仕候間、此段謹告候也。 追而来る××日×時、花山祭場に於て仏式を以て告別式を相営み、のち同火葬場に於て荼毘に附し申可く候……」 この文面から推せば....
歯車」より 著者:芥川竜之介
か道を間違え、青山斎場の前へ出てしまった。それはかれこれ十年前にあった夏目先生の告別式以来、一度も僕は門の前さえ通ったことのない建物だった。十年|前の僕も幸福で....
村芝居」より 著者:井上紅梅
の外にはなかったようにも覚えた。 この一夜はとりもなおさず、わたしが支那芝居に告別をした一夜で、もう一度そんなことに遇おうとも思わず、たまたま芝居小屋の前を過....
ドモ又の死」より 著者:有島武郎
黙って引っ込んでいるほうがいいぜ。それでは俺たち四人は戸部とともちゃんとに最後の告別をしようじゃないか。……戸部、おまえのこれまでの芸術は、若くして死んだ天才戸....
式部小路」より 著者:泉鏡花
の身は坂を上の方、兇漢は下に居た。 (あ、) と一声、もっと刺せとか、それとも告別の意であったか、 (愛吉、) とお夏が呼ぶと、丹平が引放そうとする愛吉の手....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
雨の一番古い友達の野崎左文と一番新らしい親友の馬場孤蝶との肝煎で、駒込の菩提所で告別式を行った。緑雨の竹馬の友たる上田博士も緑雨の第一の知己なる坪内博士も参列し....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
に旅装を整え、まず豪州に向かいて発程す。本邦を去るに臨み、左の書簡をもって知友に告別す。 のぶれば拙者事、明治二十三年十一月より本年二月までに、前後二回全国を....
耳香水」より 著者:大倉燁子
はK夫人に対して大変に興味を有つようになッたのです。 その翌々日、私はある人の告別式に列席するため、定刻より早めに教会へ往っていました。そこには必ずあの夫人が....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
は――、ああ、それは、ほんとの事でございましょうかねえ」 「ほんとともさ。今日は告別式だ」 女はわッと泣き出した。長い間泣きつづけていたが、やがて、涙で魂まで....
情鬼」より 著者:大倉燁子
小田切大使の自殺については話し合わなかった。 忙しい仕事に追われている私は遂々告別式にさえも行かれなかった。それがまた気になるので、恰度半日ばかり閑が出来たの....
魯迅さん」より 著者:内山完造
の遺骸は十九日の午後、膠州路の万国殯儀館にうつされて二十日朝から二十二日出棺まで告別の行列がつづいた。しかし政府の役人とか自動車で来るような富豪は一人もなかった....