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「呑み込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呑み込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の個人主義」より 著者:夏目漱石
ういう結果になるし、ああいう社会にああ用いればああいう影響《えいきょう》があると呑み込むだけの見識を養成するばかりでなく、その見識に応じて、責任をもってわが富を....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
お》っているかも知れない。癒っていてくれれば宜《よ》いがと御母さんの顔を見て息を呑み込む。 「ええ悪いでしょう、昨日《きのう》は大変降りましたからね。さぞ御困り....
うつり香」より 著者:近松秋江
。すると自分が耐力もなく可哀そうになって来て、今にも泣き溢れそうになるのをじっと呑み込むように抑えていた。 ややしばらく経ってから取着手もない時分になって、 ....
黒髪」より 著者:近松秋江
った。 私は、口に合ったそれらの料理を、むらむらと咽へこみ上げてくる涙と一緒に呑み込むようにして食べていた。そうしてもう済みかけているところへ廊下にほかの女中....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
かったり全く知らなかったりした連中が、事件の発生した日の内に、この事件の現実味を呑み込むことが出来なかったというような場合も、きっと少なくはなかったろうと思う。....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
正直に無邪気にともに暮すべし。 交際下手な夫を持った妻は、相手の人が夫の気象を呑み込むまで、妻自身がまめまめしく客にかしずき、その場の調和をたもつこと。 学....
猫先生の弁」より 著者:豊島与志雄
れば、体の汚れを嘗め清める。更に感心なことには、体を嘗めているとどうしても脱毛を呑み込むし、それが胃袋にたまるので、時々、笹の葉やそれに類する草の葉をわざと食い....
ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
―ザヴィエルを、この上もなく信頼しておりましたので、ザヴィエルの説をもそのままに呑み込むことが多く、弥次郎の人格をもまた非常に高く買っておるようでありますけれど....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
りであったが、近衛騎兵聯隊の予言者の一兵卒が、ロンドンとウェストミンスター★とを呑み込む手筈が出来ていると言い触らして、彼女の荘厳な出現を先触れしていた。例の雄....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
いい付けた。 権次と権六はお菊の死骸を抱え起して井戸の中へ静かに沈めると、女を呑み込む水の音が暗い底に籠るように響いた。播磨はその置燈籠に灯を入れろといった。....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
ような思索の闇にぶつかった。 最初係長は、技師の殺害に当って、早くも事の真相を呑み込むと、峯吉の復讐者となり得る人びとの全部を捕えて片ッ端から調査にとりかかっ....
法学とは何か」より 著者:末弘厳太郎
の知っている限り、かなり多数の学生は、卒業するまで何のために法学を学んでいるかを呑み込むことができず、そのため平素はノートを作ることにのみ苦労し、試験期になれば....
哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
こういう認識論上のデリケートな要点は逆上している民族主義者の素質にとっては、仲々呑み込むのにあつらえ向きでないかも知れない。科学の論理的通用性に於ける階級性の方....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
だから」 ペレズはさっそくこの手紙をアンリに見せた。アンリとても、手紙の意味を呑み込むに、のろまではなかった。イギリスの友の忠告に従って、彼は特別の使者をエリ....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
。 ついでに地獄の※も持って来い。 勿論地獄には※ そいつが身分次第、位階次第で呑み込むのだ。 だが未来へ逐い込む、この最後の洒落を遣るのに、 格別窮屈に選り分....