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呑む
「呑む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呑むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「僕の帽子のお話」より 著者:有島武郎
先生が一|銭銅貨《せんどうか》を一枚皆に見せていらっしゃいました。
「これを何枚
呑むとお腹《なか》の痛みがなおりますか」
とお聞きになりました。
「一枚
呑むと....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
何もありはしません、御遠慮をなさらなくっても可いんですよ。」 と意気、文学士を
呑む。この女は、主税が整然としているのを、気の毒がるより、むしろ自分の方が、為に....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
申し上げますから、今夜は思うさま泣かしてください」 しどろもどろにおとよは声を
呑むのである。省作はとうとう一語も言い得ない。 悲しくつらく玉の緒も断えんばか....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
と震えている。哀れとはこんな感じであろう。あたりは、いたって静かだ。相変らず蝶を
呑むいわなが水の中を動いている。水の中に悪魔がいる。大正池は魔の池である。 ....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
っと、獅子にお供え申そう。 みずから、獅子頭の前に供う。獅子、その牙を開き、首を
呑む。首、その口に隠る。 亀姫 (熟と視る)お姉様、お羨しい。 夫人 え。 亀姫....
「雷」より 著者:海野十三
ッと這入ってきた。 「おい松さん。酒は仕事が済めばいくらでも呑ませる。それまでは
呑むなといっといたじゃないか」 「へへい。……へえい。……」 と、松吉はペコペ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
婆アダムウイッチが遥かにこれを見て、大いに嫉妬する。そしてたまりかねて、自暴酒を
呑む。あまりに酒をガブガブ呑んだので、蒟蒻のように酔払って、とうとう床の上に大の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
が、乗被さるではござりませぬか。」 「おおおお、」 と、法師は目を※って固唾を
呑む。 「吃驚亀の子、空へ何と、爺どのは手を泳がせて、自分の曳いた荷車に、がらが....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
と後より小さき手に目隠して戯れたりし、日数もなく、小六は重き枕に就きつ。 湯を
呑むにさえ、人の手かりたりしを、情なき一座の親方の、身の代取りて、その半不随の身....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いました事がございましょう。」 「……………………」 何と言おうと、黙って唾を
呑む。 「私が、私が、こんな処に船の中に、寝て、寝て、」 と泣いじゃくりして、....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
手があるんだから、奮発をしてお前さん、連判状の筆頭につかないか。」 意気八荒を
呑む女賊は、その花のごとき唇から閃いてのぼる毒炎を吐いた。洞穴の中に、滝太郎が手....
「九龍虫」より 著者:上村松園
飲んでみなさい、とてもよく効く」 と、お医者さんは言ったが、生きた虫をそのまま
呑むのはちょっとかなわんと思って放りぱなして置いたが、疲労を覚えてどうにも弱り果....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
珀のように含んで、吻と呼吸したが、 「ああ、おいし……茶屋ではな、ご飯かて、針を
呑むようどしたえ。ほんに、今でも、ひざのとこ、ぶるぶると震えるわ、菎蒻はんのよう....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
毫も減ずるものではない。が、有体にいうと沼南は度量海の如き大人格でも、清濁|併せ
呑む大腹中でもなかった。それよりはむしろ小悪微罪に触れるさえ忍び得られないで独り....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
く、大利根の王と推称せらるるも理りなり。 よし、三つ児のおろせし餌にせよ、魚の
呑むには変り無し、ただ之を拳ぐるが六ヶしきにて、釣師の腕の巧拙なり。ただ一尾の魚....