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呑舟
「呑舟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呑舟の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
い。しかし主人の論理には大《おおい》なる穴がある。この垣よりも大いなる穴がある。
呑舟《どんしゅう》の魚をも洩《も》らすべき大穴がある。彼は垣は踰《こ》ゆべきもの....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
毛九尾の古狐で、今度の事件の一番奥から糸を操っている黒頭巾だ。君等がよく取逃がす
呑舟の魚という奴だ。……ハッハッ知らなかったろう。彼奴の若い時は例の郡司大尉の隠....
「創生記」より 著者:太宰治
ばかりの早春死んだ女児の、みめ麗わしく心もやさしく、釣糸噛み切って逃げたなまずは
呑舟の魚くらいにも見えるとか、忘却の淵に引きずり込まれた五、六行の言葉、たいへん....
「量的と質的と統計的と」より 著者:寺田寅彦
のである。これは畢竟量を見るに急なために質を見る目がくらむのであり、雑魚を数えて
呑舟の魚を取りのがすのである。またおもしろいことには、物理学上における画期的の理....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ところで、すべての人は逃げちりました。逃げ散ったものはお構いなし、すでにこの
呑舟《どんしゅう》の魚であるところの道庵先生を得ているのだから――
「こいつは驚....
「魔像」より 著者:林不忘
とした。 ほがらかな男の笑いが、深夜の巷《まち》にひびいた。 「ウム、どうやら
呑舟《どんしゅう》の大魚が掛ったようだぞ。こりゃ面白い。頭で綱引《つなび》きと来....