周旋屋[語句情報] »
周旋屋
「周旋屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
周旋屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
せたので、学校は放校処分になり、家からも勘当された。木賃宿を泊り歩いているうちに
周旋屋《しゅうせんや》にひっ掛って、炭坑《たんこう》へ行ったところ、あらくれの抗....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
はり芸者をしていたおきんという年増《としま》芸者が、今は高津に一軒構えてヤトナの
周旋屋《しゅうせんや》みたいなことをしていた。ヤトナというのはいわば臨時雇で宴会....
「世相」より 著者:織田作之助
一先ず落ち着いた所は、ところもあろうに昔彼女が世話になったことのあるいかがわしい
周旋屋であった。文部省へ出頭する口実を設けてしばしば上京するたび、宿屋へ呼び寄せ....
「鰊漁場」より 著者:島木健作
海の水は雄鰊の排出する白子のために米磨ぎ汁を流しこんだように青白色に濁ってくる。
周旋屋の手を経て募集された漁夫たちが、津軽及道内の各地から全部あつまった夜、大丸....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
売れば纏まった金が手に這入り、有力な弁護士に依頼する事も出来ると考えたので、内々
周旋屋に相談して見ると千五百円なら買手があると云う事だった。それで彼女は夫に面会....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
「俺アもう今度こそア船さ来ねえッて思ってたんだけれどもな」と大声で云っていた。「
周旋屋に引っ張り廻されて、文無しになってよ。――又、長げえことくたばるめに合わさ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
わぬ株の配当でも貰ったような気がするのだった。 松島も次第に商売の骨もわかり、
周旋屋の手に載せられるようなどじも踏まず、子供を使いまわすことにも、特得の才能が....
「足迹」より 著者:徳田秋声
石川島へ出ている時分セメントの取引きをして親しくなった男や、金貸しや地所売買の
周旋屋をしている丸山などと一緒に叔父はその会社を盛り立てようとしていた。中には古....
「天馬」より 著者:金史良
《いわゆる》鐘路裏で、カフェー、バー、立飲屋《ソンスルチビ》、おでん屋、麻雀屋、
周旋屋、飲食店、旅館等が、目をぴかぴか光らせたり、口を開けたり、尻ごみしたり、地....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
は更に黙っている。 「御趣味拝聴って時間つくればいかが? スポンサーはアルバイト
周旋屋」 「女史は何が出来るんですか」 「わたくし? パントマイム」 男は笑っ....
「肉体」より 著者:豊島与志雄
にひっかかってきました。引越しの相談をすると、例の通り、ええいいわ……なんです。
周旋屋にたのんで、少し遠くに煙草化粧品の小さな店を――前のところより少し静かな小....
「潮風」より 著者:豊島与志雄
、彼女は女中奉公に出た。小さな請負師の家で、給金もろくに貰えなかった。彼女は自ら
周旋屋にかけこんで、伯母の懇意だった人に身許引受人となってもらい、二三転々して、....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
家屋を有してその収入で家計の一部を助くるとか、あるいは金貸しをするとか、ある者は
周旋屋で、その手間手数料で家計を補うとか、ことに最も多いのは手内職である。例えば....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
朝、彼の耳へ、今もってぶらぶらしている女房からそんなことが伝えられた。洋服を着た
周旋屋がきょろきょろと隣村の停車場から下車して、この部落へも姿を現すのを彼とて知....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
悲哀とに加えてまた尊敬の念を禁じ得ない。同時にこういう家《うち》の一人娘は今頃|
周旋屋《しゅうせんや》の餌《えば》になってどこぞで芸者でもしていはせぬかと、そん....