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呪縛
「呪縛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呪縛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を通り、岩石造りの楼門へ出た。四涜の塔と呼ばれていた。そこには四人の悪神の像が、
呪縛されて置かれてあった。それを通ると鐘楼であった。梵鐘は青く緑青を吹き、高く空....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
社会的自由を許すことを象徴する。この象徴を抑えることはやがて学生の本分を思い出す
呪縛となるだろう、というわけだ。例は変だが、アメリカの囚人は仲々良い生活を送って....
「ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
きことと言わなければならない。 しかし、現在の日本のジャーナリズムがその魔術の
呪縛に破綻を示してときどき醜いしっぽを露出するのはいわゆる科学記事の方面において....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
はっきりしないものを翹望して旅をつづけて来た流人達は、一度セエヌの谷へ這入るや、
呪縛されたようにもうそこからは動こうとしない。巴里は魅精を有つからだ。ここに言う....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
だったらと思ってぞっとするそうだが、この幾分変態的な戦慄も手伝って、一生闘牛場へ
呪縛されるのがあのメリイの運命だろう――。』 7 槍馬士から仕留士ま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
のことや、異様な匂いや、妙な形のガラス壜のことが心に泛かんだとき、宿命的な魔法の
呪縛にかかっている美しい一人の女の姿が、生けるがごとくにわたしの幻影となって現わ....
「憑きもの」より 著者:豊島与志雄
女の眼眸に、全く憑かれたようになった。初め私を飛びつかせたその魅力は、今では私を
呪縛してるらしいのだ。幻覚までがそれに加わってくる。その眼眸にしめつけられるのは....
「ものの影」より 著者:豊島与志雄
ぶ距たり、その彼方に、工場の煙筒が黒い煙を吐いている。 夢のようだった。だが、
呪縛された夢の感じだった。彦一は肩をそびやかし、意識的に歩調をゆるめた。 おい....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
を越え、七つの海を漂浪い行くと云われるのだが、その身は生とも死ともつかず、永劫の
呪縛にくくられている幽霊船長と――きしみ合う二つの車輪、まさに幻想と現実とが、触....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
の案内を知り抜いているから好都合だった訳さ。そこで彼奴らは法術で――いわば一種の
呪縛だね。園長の意志を縛ってしまって、彼奴らの意志を代わりに注ぎ込み、かねて用意....
「決闘」より 著者:神西清
たではないか。 真理は彼に不要だった、求めもしなかった。彼の良心は悪徳と嘘とに
呪縛されて、眠り込んでいた。でなければ黙っていた。彼は他国者のように、また別の遊....
「環礁」より 著者:中島敦
戻すと、視線を表の景色に向けた。何故か、深い溜息がホーッと腹の底から出た。途端に
呪縛《じゅばく》が解けたのである。 一瞬前の己の状態を考えて、私は覚えず苦笑し....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
―から頬の肉が失くなっていた。のみならず、あわてて詰所を出た時か、大切なおりんの
呪縛《まじない》の紙を紛失しているのに気がついた。 落ち着かない心持で夜を待っ....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
ち破ったので悪死の報いを得たとか、奈良故京の愚人が乞食僧を凌辱して、たちまちその
呪縛に遇ったとかいう類の噺が、この書にはたくさんにみえている。これらの霊験談は、....
「思想議会たるを知れ」より 著者:戸坂潤
十議会はフル・コンディションにあるのである。既に民衆の大半は××××デマゴギーの
呪縛から解き放たれようとしている。之には所謂外交の失敗ということが何より効き目が....