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味を覚える
「味を覚える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
味を覚えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
とをいい得る。「趣味」はまず体験として「味わう」ことに始まる。我々は文字通りに「
味を覚える」。更に、覚えた味を基礎として価値判断を下す。しかし味覚が純粋の味覚で....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
が、体が二つに割れるような苦痛が注射で消えてとろとろと気持よく眠り込んでしまえる
味を覚えると、痛みよりも先に「注射や、注射や」夜中でも構わず泣き叫んで、種吉を起....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
昨夜深谷氏が乗ったと云うその問題のヨットだ。……僕はなんだか、ひどくこの事件に興
味を覚えるよ」 そう云って彼は、私の肩に手をかけた。 本来私は、余り好事家の....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
の奇妙に開かれた両脚や、五指を固く握り締めたままの右掌に対して、何よりも大きな興
味を覚えるよ。そしてだね君。あの屍体の傷口を思出してくれ給え。あの傷は、打撲に依....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
「火の玉」少尉がうしろへふりむくのと、彼の左手首のうえに、焼きつくような激しい痛
味を覚えるのと、それが同時であった。 「あっ、な、なにをするッ」 といったが、....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
っては極楽の蓮華の上の昼寝よりは目のあたりに見る処の地獄の責苦の方により多くの興
味を覚えるのである。その事が如何にも私を油絵に誘惑した最大の原因でもある如く思え....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
わしも張るつもりだ」 「いけませんよ杉さん、そいつは不可ない。あいつに手を出して
味を覚えると、一生涯やめられません。……やればやるほど深みへ入り、財を失い人を悪....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
る人物である。しかし孤独であるが故に家庭的ではない。是非一度実物に会ってみたい興
味を覚える。 ★ 私が徹夜の仕事をしてフラフラしている朝方....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
が致します。世間の人々は、科学者を無情冷酷な人間と誤解し、実験動物を殺すことに興
味を覚えるほどの残忍性を持って居ると思う人もあるようですが、強ちそういう人間ばか....
「「ケット」と「マット」」より 著者:喜田貞吉
かつて奥羽のマタギと同じ生活をなしたケットの存在することは、彼是相対照して最も興
味を覚えるものである。 因に云う、古えエビスの残存した地方に、エビスまたはエビ....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
之の非凡に学ぶところが認められるのである。世の模倣家はこの中の現代離れの風体に興
味を覚えるようである。が……本ものの良寛様というのは猪口才ではない。日本の書では....
「読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
、はじめより自己をいつわらぬ自然の表現は、その文章を読む時に快いものであり、面白
味を覚えるものです。自己をいつわった文章というものは、不自然であり、どこかにぎご....
「片田舎にあった話」より 著者:小川未明
う……」といいました。 たとえ、年を取っても、やはり、珍しいものにはいちばん興
味を覚えるものです。 おじいさんは、そのかんのふたを開けました。すると香ばしい....
「道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
やはり、経済的な観念が伴うのがふつうで、価格が支配することも否めない。 結局、
味を覚えることも、美術の鑑賞力を養うのと同じで、その先その先と、ものの深奥を極め....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
合的大計画は真に天下の偉観であった。これは今日ヒットラーの試みと対比して無限の興
味を覚える。 海軍の無能によってナポレオンの計画は実行一歩手前に於て頓挫し、英....