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味得
「味得〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
味得の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
じゃが、既に三観三諦即一心《さんかんさんたいそくいつしん》の醍醐味《だいごみ》を
味得《みとく》した。よって、和泉式部《いずみしきぶ》も、道命が眼《まなこ》には麻....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
独自な「生き」かたの一つではあるまいか。現実をありのままに把握することが、また、
味得さるべき体験を論理的に言表することが、この書の追う課題である。
昭和五....
「語られざる哲学」より 著者:三木清
味は先入主的に決定さるべきものではなくて実際まじめに人生を生きた人によって初めて
味得さるべきものである。 私はいまここに偶像を再興しようとしている。その偶像が....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
のを待つしてすみやかに般若の智慧を磨く事によって、まさしくさとりの世界をハッキリ
味得せねばなりません。....
「老年と人生」より 著者:萩原朔太郎
自由の日には、殆んど何の苦にもならないものだということも、自分の生活経験によって
味得《みとく》した。そして五十歳を越えた今となっては、かつて知らなかった人生の深....
「文芸時評」より 著者:宮本百合子
」を行っていると主張しているのである。 もとより具象的な感覚のものである芸術の
味得や評価をするに当って単にそれがつくられた時代の社会的環境の説明や当時の歴史が....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
てうつむいた。まことに悲痛な様ではあるが、お奈良さまは彼の説く妙諦がまだ充分には
味得できなかった。なぜならお奈良さまの一生はあまりにもオナラに恥の多い一生で、唐....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
のである。 私がハンスト先生に一陣の涼風を覚えたのは、泰平の風流心をマザマザと
味得させられたからで、私は大マジメな社会改良家には一向に親愛を覚えないが、この先....
「リズムの構造」より 著者:中井正一
せる場合、その身心の脱落における深い安慰なる緊張、一言にすれば、「内」なる意味の
味得である。それは、念々常懺悔ともいうべく、無限の深まりをもって味わわるべきであ....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
少し意味を広く私は解釈したい。何故ならば、一方の感性ということはものを感得する、
味得するというような場合に働くだけでなく、ものごとを表現する場合にも働く。自分で....
「牛」より 著者:坂口安吾
て二ヵ月になるが、彼の吹きならすフシギな音も彼の耳には音楽であったし、自らそれを
味得する幸福でこの上もなく満足であった。静かな山林の中で自分の音楽を味うために彼....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
けたのが獅子刀、虎乱の剣。二つながら衆を対手とする時の刀法である。弦之丞はそれを
味得していた。 今――。 彼は、無銘二尺七、八寸の大刀を静かに抜かんとしてい....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
が、たちどころに一人の相手を蜂の巣と刺激するに足るであろう。 弦之丞が師事し、
味得しているところの、戸ヶ崎|夕雲の夕雲流なる剣法が、神陰とひとしく、そもそも白....
「小説のタネ」より 著者:吉川英治
かって、渡し舟に乗り合せて隣り合った女の肉体を、空想の中で完全に自分のものとして
味得してしまう、ああいうものを持ってると思うな。作家ならたれでもですよ。ですから....