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呼び
「呼び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呼びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
彼は呉服《ごふく》ものをひろげた中に立ち、一本の帯をふりながら、熱心に人だかりに
呼びかけている。
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彼の手に持った一本の帯。帯は前....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
負けないような犬が欲しい。」と答えますと、大男はすぐに口笛を吹いて、一匹の黒犬を
呼び出しながら、
「この犬の名は飛べと言って、誰でも背中へ乗ってさえすれば百里で....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ゃれ》を声高《こわだか》に笑ったり、何かしら不快な事をしでかして、再び私の反感を
呼び起してしまうのです。ですから彼が三十分ばかり経って、会社の宴会とかへ出るため....
「河童」より 著者:芥川竜之介
だれも皆好奇心を持っていましたから、毎日血圧を調べてもらいに、わざわざチャックを
呼び寄せるゲエルという硝子《ガラス》会社の社長などもやはりこの部屋へ顔を出したも....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
え》、加納求馬《かのうもとめ》が兄分、津崎左近が助太刀《すけだち》覚えたか。」と
呼びかけながら、刀を抜き放って飛びかかった。が、相手は編笠をかぶったまま、騒ぐ気....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
、笑うんです。それが私に挨拶をするように見えるじゃありませんか。名前を知ってりゃ
呼びたかった……」
呼んで見給え。気ちがいだと思われる。いくらYだって、まだ活....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
昧《あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内に潜んでいたある不安を
呼び醒ました。兄は帰って来るだろうか?――そう思うと彼は電報に、もっと大仰《おお....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
いったのは戞々《かつかつ》と蹄《ひづめ》の鳴る音である。常子は青い顔をしたまま、
呼びとめる勇気も失ったようにじっと夫の後《うし》ろ姿を見つめた。それから、――玄....
「運」より 著者:芥川竜之介
へ引返そうと致しますと、誰だか、皮匣《かわご》の後《うしろ》から、しわがれた声で
呼びとめました。何しろ、人はいないとばかり思っていた所でございますから、驚いたの....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の戸口へ行って、 「恵蓮。恵蓮」と
呼び立てました。 その声に応じて出て来たのは、美しい支那人の女の子です。が、何....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
最も著しく現れていると思う。が、江口の人間的興味の後には、屡如何にしても健全とは
呼び得ない異常性が富んでいる。これは菊池が先月の文章世界で指摘しているから、今更....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
の生れたのはのことであった。父はジェームス・ファラデーといい、母はマーガレットと
呼び、その第三番目の子で、ミケルという世間には余り多くない名前であった。父のジェ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
わずに、私のあとについて来ました。が、私たちが入口の段々をあがろうとすると、私を
呼びとめて、 「よござんすか、僕を棄てたら、自殺をしますよ」 私も、その時にな....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
う一手だった。 やがて、広間から音楽のひびきがきこえてきて、ひとびとをダンスに
呼びあつめた。演奏するのは年配の白髪頭の黒人で、もう五十年以上もこの界隈で巡回音....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
えず何かしら聞えるような気がした。今はもう気も顛倒してしまった彼は、我が子の名を
呼びつづけながら、闇の中をかき分けるようにして馳けて行った。 「ジャン! ジャー....