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「呼び声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呼び声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
半月が経過した。誰もいないと思っている彼女の閉めきられた家から、突如として一つの呼び声が洩れはじめた。 「誰か来てくろよ。苦しいよ、あ、苦しいよ、誰か来てくろよ....
妖怪学」より 著者:井上円了
を呼ぶも蘇生することなし。けだし、死のときは他我の出でて遊ぶ所いたって遠くして、呼び声のこれに達することあたわざるによると信ずるなり。その他、病気、癲狂、狐憑き....
火星探険」より 著者:海野十三
「おーい。生きている者は、こっちへ集ってこい」 「おう、今行くぞ」 乗組員の呼び声が、ぼつぼつ聞え始めた。それはたいへんお互いを元気づけた。 河合少年は、....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
世界一。さあいらっしゃい。早くいらっしゃってお験しなさい」 気の軽い碧眼夫婦の呼び声に、この陋巷のあちこちから腹の減った連中が駆けよって来た。屋台の前は、たち....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
かったので、横の方で気を付けをしました。 「番号ッ」 一、二、三、……と勇しい呼び声。 「オヤ、一人足りないじゃないか」 「一人足らん。誰が集まらんのだろう」....
三人の双生児」より 著者:海野十三
間考えていたが、やっと一つ思い出すことが出来た。 「そうです、魚売りのおばさんの呼び声を思いだしましたわ。こうなんです――いなや鰈や竹輪はおいんなはらーンで、と....
少年探偵長」より 著者:海野十三
っていった。 「迷い児の迷い児の春木君やーい」世の中が進んでも、迷った子供を探す呼び声は大昔も今も同じことであった。 「迷い児の迷い児の春木君やーい」 どんど....
深夜の市長」より 著者:海野十三
五軒ほど「黄谷青二氏」が行ったかと思った頃、不意に後から、「浅間さん浅間さん」と呼び声がする。ふりかえって見ると、これが小倉服を着た僕らの部屋の小生意気な給仕で....
赤外線男」より 著者:海野十三
外線男』が殺人をやるようになったのは極く最近のことだ。以前に於ては『赤外線男』の呼び声は高かったにしろ、殺人事件はなかった。そこに何物かがひそんでいると気が付い....
続獄中記」より 著者:大杉栄
ながらの合唱の声。春秋のお祭時の笛や太鼓の音。時とすると冬の夜の「鍋焼うどん」の呼び声。ことにはまた、生命のあるもの少しでも自分の生命と交感する何ものかを持って....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
われの心に訴えるものは、伎倆というよりは精神であり、技術というよりも人物である。呼び声が人間味のあるものであれば、それだけにわれわれの応答は衷心から出て来る。名....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
、鮮やかな判決がつけられるのです。 青年男女が相当の年配に達すると、自然と起る呼び声があります。「いつまでぐずぐずしているのだ。もう身を固めてもよかろう」。そ....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
取られたようにながめていた。文政末年の秋の日ももう午に近づいて、広小路の青物市の呼び声がやがて見世物やおででこ芝居の鳴物に変ろうとする頃で、昼ながらどことなく冷....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
髷に結っている小柄の男で、清元でも稽古したことがあるのかと思われるような、小粋な呼び声が今もわたしの耳に残っている。わたしの父は江戸時代からこの男を識っているら....
あるまりの一生」より 著者:小川未明
、雲は呼びかけました。しかし、耳も遠くなって、目のかすんだまりは、せっかくの雲の呼び声にも気づきませんでした。雲は、哀しそうに去ってゆきました。 ――一九二五・四作――....