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呼声
「呼声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呼声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
|様はお礼を云ってしまっとくよ」 そのとき、戸外では、号外売りの、けたたましい
呼声が鈴の音に交って、聞こえ始めた。そして、また別な号外売りがあとからあとへと、....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
な小声で呟き出した。 「奥さまのかの子さーん」 わたくしは不思議とこれを唐突な
呼声とも思わず、木霊のように答えた。 「お雛妓さんのかの子さーん」 二三度、呼....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
彼らにたいする愛称だ。それから、Wakhe, Wakhe――と、檻のゴリラへする
呼声をいっても、その老獣はふり向きもしなかった。 ただ遠くで、家族らしい悲しげ....
「橇」より 著者:黒島伝治
い出さなかった。 「近松少佐!」 大隊長は胸算用をつづけた。彼にはうしろからの
呼声が耳に入らなかった。ほんとに馬鹿なことをしたものだ。もうポケットにはどれだけ....
「家」より 著者:島崎藤村
ざまに呼んだが、返事が無い。 「ああああ、驚いちまった」 お雪は嘆息した。この
呼声に、下婢が眼を覚まさないで、子供が泣出した。 「ハイ」 と下婢は呼ばれもし....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
して飛散りし花を捻りつ微笑せるを、寸善尺魔の三界は猶如火宅や。珠運さま珠運さまと
呼声戸口にせわし。 第十 如是本末究竟等 上 迷迷迷、迷は唯....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
トウランで、大勢が何かやっているが、自分には何の影響もない事だった。毎朝新聞屋の
呼声がするが、それも何の影響もなかった。もしその記事の中に明日、巴里にいる日本人....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
」 「結構でございますね、差配さん。」 差配はも一つ真顔でチャーン。 「さて、
呼声に名が入りますと、どうやら遠い処で、幽に、はあい……」と可哀な声。 「変な声....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
ころが、それは九時すぎ、会社へ行った兄からだったのです。 ここまで書いて玄関に
呼声。出てゆきました。若しや、鉄路のほとりからの速達ではないかと。ちがいました。....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いるということを、少年の心にはまだ不思議とも思わずにいられた。彼はただ詩人という
呼声に酔わされていたのである。 北村透谷の『蓬莱曲』がその頃出た新刊書の一つで....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
して吾妻橋の上へ来り。四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆の音、氷屋の
呼声かえッて熱さを加え、立売の西瓜日を視るの想あり。半ば渡りて立止り、欄干に倚り....
「壁の眼の怪」より 著者:江見水蔭
開き或いは熊|避けの為に、手斧、鋸、鎌などを持っているのであった。 三里という
呼声も、どうやら余計に踏んで来たように覚えた頃、一行は断崖下に大河の横たわるのに....
「手長と足長」より 著者:喜田貞吉
、手名椎・足名椎を祭ったのであろうと書いてあるけれども、単に手足相対することと、
呼声の近いのとから想像したので、もとより拠はない。また足長とはないが、上野利根郡....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
てご賛成あらんことを希望します」 こう言うて降壇してしまった。 「議長質問」と
呼声高く立ち上ったのは安治川舟三という石炭商であった。 「これは、私の立場から申....
「世間師」より 著者:小栗風葉
た。盛んに米や雑穀の相場が立っている。広い会所の中は揉合うばかりの群衆で、相場の
呼声ごとに場内は色めきたつ。中にはまた首でも縊りそうな顔をして、冷たい壁に悄り靠....