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呼物
「呼物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呼物の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
が、劇界では破天荒の問題として世間の注目を惹いた。戦争中にも拘らず、それが一つの
呼物になったのは事実であった。 その頃から私は従軍記者として満洲へ出張していた....
「殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
た人に会わず、われわれは心ゆくまで映画を鑑賞することが出来た。
しかし最後の、
呼物の写真がうつりはじめた時、私はこれはとんだ事になつたと感じた。
その映画は....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
て往ったのである。 湊屋に皆という娘がいた。このみいちゃんは美しいので、茶屋の
呼物になっていた。みいちゃんは津藤に縁故があるとかいう河野某を檀那に取っていたが....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
演出する死物狂いの冒険軽業が、吾輩の第一の当り芸であると同時に、この一座の第一の
呼物であったんだが、その芸当の最中の話だ。毎日毎日一度|宛、芸当の小手調べとして....
「春昼」より 著者:泉鏡花
似て造ったでありますが、主人が交際ずきで頻と客をしまする処、いずれ海が、何よりの
呼物でありますに。この久能谷の方は、些と足場が遠くなりますから、すべて、見得装飾....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
術倶楽部で書画骨董の売立入札を催すはずで、出品数は三百点、大変の前景気だそうだ。
呼物の主なものとして、虚堂墨蹟、馬麟寒山拾得、牧渓江天暮雪、大名物瓢箪茶入などが....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
の一族は会場内の茶室へ招待されている間、私は娘曲芸団の立ち見をしていた。ちょうど
呼物であるところの空中美人大飛行というのを演じているところ。高い空中のブランコか....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
四面あるうちもある。一幕目二幕目と続いたのや、または廻り舞台のつづきや、一番目の
呼物と中幕と、二番目のを選んだり、更にまたその家の贔屓《ひいき》役者の当り役ばか....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
品隙《とりざた》に移って行く。 花馬車品評会とは謝肉祭《キャルナヴァル》中の大
呼物、贅沢中の贅沢、粋と流行の親玉。名花珍草をもって軽軻《けいか》を飾るに趣向を....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
の鍋を売る、一個一銭。勿論、一種の玩具に過ぎないのであるが、何しろ西郷というのが
呼物で、大繁昌であった。私なども母に強請んで幾度も買った。 その他にも西郷糖と....
「米国の松王劇」より 著者:岡本綺堂
第二の一幕物がもう終るところでした。プログラムを観ると第三が松王で、それが今度の
呼物であるということが判りました。この松王は欧洲でも上場されたことがあり、米国で....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
る。或る年の『国民新聞』に文壇逸話と題した文壇の楽屋|咄が毎日連載されてかなりな
呼物となった事があった。蒙求風に類似の逸話を対聯したので、或る日の逸話に鴎外と私....