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「呼立て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呼立ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
のごわりまする兆でごわりまするな、はあ、」 酒井も珍らしく威儀を正して、 「お呼立て申して失礼ですが、家内が病気で居ますんで、」と、手を伸して、巻莨をぐっ、と....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
いりましたよ」 志「なにさそれは灯火で見るから光るのですわね、萩原氏々々」 と呼立てれば、 米「何んですねえ、宜うございますよう、貴方はお嬢様のお気質も御存じ....
あそび」より 著者:森鴎外
話口に出た。 「もしもし。木村ですが、なんの御用ですか。」 「木村先生ですか。お呼立て申して済みません。あの応募脚本ですが、いつ頃御覧済になりましょうか。」 「....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
先達は有難うございます、貴方、あんな心配をなすっては困りますよ、お忙がしい処をお呼立て申しましたのは困った事が出来ましてね」 山「毎度厄介になりまして気の毒での....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
てしまい、兵馬はお絹の袖を捉《とら》えてはなさないのでありました。 「わたしのお呼立てしたことが、真剣でしたことか浮気でしたことか、それがおわかりになれば、わた....
革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
黙然として澄まし返る。 容体がさも、ものありげで、鶴の一声という趣。※き騒いで呼立てない、非凡の見識おのずから顕れて、裡の面白さが思遣られる。 うかうかと入....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、と云う姉のような呑込んだ優い微笑。 九 「失礼な、どうも奥様をお呼立て申しまして済みません。でも、お差向いの処へ、他人が出ましてはかえってお妨げ....
ベルリン大学」より 著者:寺田寅彦
の興味を煽り立てた。 ペンクは名実共にゲハイムラートであって、時々カイザーから呼立てられてドイツの領土国策の枢機に参与していたようである。今日はカイザーに呼ば....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
所松倉町|源六店國藏、浪人浪島方同居森松、並に町役人、組合名主ども」 と、一々呼立てゝ後、 奉「浪島文治郎、其の方儀|去ぬる十二月二十一日、江戸橋に於て罪人....
南国太平記」より 著者:直木三十五
孫左衛門が、坐っていた。膝の前に、座蒲団と、茶とが、置いてあった。 「遅いのに、呼立てた」 と、云って、平は、褥へ坐ると 「はっ」 侍女が二人、燭台を二つ、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
た」 藤波は膠《にべ》もなく、 「それで、ご用といわれるのは?」 「わざわざお呼立てして恐縮でしたが、チトお目にかけたいものがあって……」 「だから、なんだ、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
取れることなどもありますが、極まりが附いて皆がそこを離れるころには、また別の方で呼立てます。天気の時は大抵軒下でしますが、雨が降るとどやどやと這入りますから、広....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
から、不躾に廚裡へ向って、大な声は出せません。本堂には祖師の壇があります。ここで呼立てるのも失礼だと思いますから、入った高縁の処、畳数を向うへ長く縦に見取って、....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
下に遇わして下さらぬか」というと「それはどうも失礼な事をした」というて早速兵士を呼立てて「このお方を総理殿下の対面所まで案内しろ」と吩付けたので案内してくれたで....
活人形」より 著者:泉鏡花
むがごとく嘲けるごとく、様々声の調子を変じて遠くよりまた近くより、透間もあらせず呼立てられ、得三は赤くなり、蒼くなり、行きつ戻りつ、うろ、うろ、うろ。拍子に懸け....