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呼鈴
「呼鈴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呼鈴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「魔術」より 著者:芥川竜之介
は雨に濡れながら、覚束《おぼつか》ない車夫の提灯の明りを便りにその標札の下にある
呼鈴《よびりん》の釦《ボタン》を押しました。すると間もなく戸が開《あ》いて、玄関....
「或る女」より 著者:有島武郎
その翌朝手術台にのぼろうとした葉子は昨夜の葉子とは別人のようだった。激しい
呼鈴《よびりん》の音で呼ばれてつやが病室に来た時には、葉子は寝床から起き上がって....
「聖書」より 著者:生田春月
さなかったというから、これもまんざら関係がないでもないと思う。 Kさんが立って
呼鈴を押すと、とんとんとんと、いかにも面白そうに調子よく階段を踏んで、女中さんが....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
間違うといけないから、落着いて掛けるのだよ」 櫓の上に、リリリリンと、可愛いい
呼鈴の音がした。盲目の老人と、幼い子供の協力によって、警報は発せられた。真東から....
「断層顔」より 著者:海野十三
聞いていた。 たしかに碇曳治と谷間シズカの名札のかかったアパートがあった。甥は
呼鈴を押そうとした。 「待った。計画変更だ。この家にはテレビジョン電話が入ってい....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
容を持って辿って行った。そしてその復習が遂に終りのところまで来たとき、彼は電話の
呼鈴の鳴るのを耳にした。 「はあ、もしもし……」 こういうときの用にと、傍のボ....
「金属人間」より 著者:海野十三
うはくしゃ》がみずから電話をかけてきたのであろうか。 ちょうどそのとき、玄関の
呼鈴《よびりん》が鳴った。訪問客だ。はたして、さっき電話で注意をうけた怪人物の来....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
、小食堂の天井にとりつけてあるブザー(じいじいと蜂のなくような音――を出す一種の
呼鈴)が鳴りだした。 「あっ、いけない。もう交替時間だ」 風間三郎は、ひょこん....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
は濃いグリーンの長いオーヴァを着ていた。車を返すと、非常に気がせくらしく、受付の
呼鈴にとびつくようにして釦を押した。 「ハロー、ウララさん。いまごろどうしました....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
に、一銚子添えさせるのを言忘れたのに心づいて、そこで起上った。 どこを探しても
呼鈴が見当らない。 二三度手を敲いてみたが――これは初めから成算がなかった。勝....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
けて、総附の塗枕、枕頭には蒔絵ものの煙草盆、鼻紙台も差置いた、上に香炉を飾って、
呼鈴まで行届き、次の間の片隅には棚を飾って、略式ながら、薄茶の道具一通。火鉢には....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ので、桃色の窓懸を半ば絞った玄関|傍の応接所から、金々として綺羅びやかな飾附の、
呼鈴、巻莨入、灰皿、額縁などが洩れて見える――あたかもその前にわざと鄙めいた誂で....
「初雪」より 著者:秋田滋
しさをひしひしと感じて、胸を緊められるような思いがするのだった。 やがて彼女は
呼鈴を鳴らして、召使にランプを持って来させる。それから煖炉のそばへ行く。山のよう....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
造な若い令夫人は声を懸けて向直ったが返事をしなかったので、 「貴方|憚り様ですが
呼鈴を、」とお睦まじい。 すなわち傍なる一閑張の机、ここで書見をするとも見えず....
「死体室」より 著者:岩村透
ので、彼も中々落々として寝込まれない。ところが、この小使部屋へは、方々の室から、
呼鈴の電線がつづいているので、その室で呼ぶと、此処で電鈴が鳴って、その室の番号の....