»
命
「命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
したたか兵衛の小手を打った。綱利は甚太夫を賞するために、五十|石《こく》の加増を
命じた。兵衛は蚯蚓腫《みみずばれ》になった腕を撫《な》でながら、悄々《すごすご》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
て偶然ではない。
しかし、内蔵助の不快は、まだこの上に、最後の仕上げを受ける運
命を持っていた。
彼の無言でいるのを見た伝右衛門は、大方《おおかた》それを彼ら....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
び泣きをこらえている。――その後《のち》二月《ふたつき》とたたないうちに、突然官
命を受けた夫は支那《しな》の漢口《ハンカオ》の領事館へ赴任《ふにん》することにな....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
挙げました。 「又お前がこの間のように、私に世話ばかり焼かせると、今度こそお前の
命はないよ。お前なんぞは殺そうと思えば、雛っ仔の頸を絞めるより――」 こう言い....
「狂女」より 著者:秋田滋
すから――」 少佐は腹が立って堪らないのだったが、そうかと云って、部下の兵士に
命じてこの女を寝台から引き摺りおろすわけにも行きかねたので、いささか持余したかた....
「墓」より 著者:秋田滋
たくしの愛人になったのであります。いや、それ以上のものでありました。わたくしの生
命そのものだったのであります。彼女を措いて、わたくしにはもうこの世に何一つ期待す....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
声の聞えたのは何某氏の部屋だった。ドアを開けてみると借家人の某氏は、われと我が生
命を断った拳銃を握ったまま全身あけに染って打倒れていた。 某氏(五七)はかなり....
「初雪」より 著者:秋田滋
。 だから彼女には返事が出来なかったのである。なんにも云わずに、ただ泪を一生懸
命に拭いた。なんと云えばいいのか、彼女には分らなかった。やっとの思いで、頻りに云....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。案内を乞うて来意を通ずれば、「珍しき人よりの手紙かな、こちらへと言え」と書生に
命ずる主公の声聞えたり。頓て書生にいざなわれて応接所へ通りしが、しばらくしてまた....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
うほどの我儘者でない様にと心がけてはおります。貴女を御喜ばせする様にと私が一生懸
命になった方がよいのか、それとも御近寄りせぬでいた方がよいのか、いずれなりと御気....
「寡婦」より 著者:秋田滋
、そのなかの最後の男のものなのです。その男は、十三の年に、私のことがもとで、自ら
命をたって果てたのです。変なことだとお考えになるでしょうね。 まったく、一風変....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが途切れて、先生の、まるで叱っているか
命令でもしているような調子の重々しい声が聞えた。また、ときには恐ろしい鞭の音がし....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
家や旅籠屋で日雇取りをして、一番賤しい仕事をあてがわれ、他人の残りものを食べて露
命をつなぎ、夜はまた夜で、寒さに悩みながら冷たい板の間で旅寐の夢をむすぶ身となっ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
ブロンデルを死刑にした。彼はなぜ自分の五人の子を殺害したのだろう。なぜだろう。生
命を絶つことが一つの快楽であるような人がよくある。そうだ、そうだ、それは一つの快....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
と太郎右衛門が、峠を越して平原の見えるところまで来た時、坂の下の方で伊作が一生懸
命に二人の方を見て、手を振っているのが、見えました。 「どうしたんだべいな? 伊....