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命あっての物種
「命あっての物種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
命あっての物種の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
つきつけやがって、あげくの果てに、とうとうだんびらをひねくりまわしゃがったんで、
命あっての物種と、みすみす千両かたり取られたとこういうんですがね。でも、おやじが....
「霊感!」より 著者:夢野久作
。 椅子から立ち上ったパーポン氏は余りの恐ろしさに膝頭をガクガクと震わした。生
命あっての物種という恰好で、横の手術室の扉の方へ逃げ出そうとしたが、患者はヒンガ....
「死生」より 著者:幸徳秋水
四 左は言え、私は決して長寿を嫌って、無用・無益とするのではない、
命あっての物種である、其生涯が満足な幸福な生涯ならば、無論長い程可いのである、且....
「戦争はわたしたちからすべてを奪う」より 著者:宮本百合子
る空と轟き裂ける大地の間に殲滅される。戦争は、人民にとって直接生命の問題である。
命あっての物種、というその命をじかに脅かされることであるから、生命保存のために、....
「死刑の前」より 著者:幸徳秋水
そうはいえ、わたくしは、けっして長寿をきらって、無用・無益とするのではない。
命あっての物種である。その生涯が満足な幸福な生涯ならば、むろん、長いほどよいので....
「郊外」より 著者:国木田独歩
たので、ソッと避けて家の壁に身を寄せた。それを主人はちらと見て、 『何を言っても
命あっての物種だ、』と大きな声で独言を初めた、『どうせ自分から死ぬるてエなアよく....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
も危ないという恐ろしい修羅場になっておりますから「これでは、どうも仕方がない。生
命あっての物種だ。何もかも抛り出してしまえ」というので、父の兼松と政吉とは籠長持....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
行くまいから。諦めろッ」 参謀たる奥野後良、もう逃げ腰。 「や、それもそうだ。
命あっての物種だ」と駒越左内も臆病風。 九兵衛は又|家の大事と。 「どうか少し....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
いともいうが、せっかく勝ったところでズドンなんてのは有難くないからね。なにしろ、
命あっての物種《ものだね》だ」と、弱音《よわね》を吹くと、タヌは、情けなそうにコ....
「越中劍岳先登記」より 著者:柴崎芳太郎
登ったという事のない危険山ですから、如何に高い給料を出して遣るからといっても、生
命あっての物種、給料には易えられぬといって応ずる者がありません、しかし是非とも同....
「撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
に帰船するためには、即座に出発して漸《ようや》く間に会うくらいであったから」。生
命あっての物種というどたん場に遭遇しては、遺骨強盗もへちまもあったものではなかっ....