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命の親
「命の親〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
命の親の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
くつ》はない。たといおまえが何かの折に、おれの生命《いのち》を助けてくれてさ、生
命の親と思えばとても、けっして巡査にゃあ遣《や》らないのだ。おまえが憎い女ならお....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。 「もうひと足の所でおめえはどぶんを極めるところだった。それを助けた半七はまあ
命の親というものだろう」と、半七は笑いながら云った。「
命の親に嘘を云うのは良くね....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んな大きな屋台骨をしていながら、自分の家《うち》のひとり娘を助けて貰った、云わば
命の親の勘蔵のところへ一度も見舞によこさないというのは、あんまり義理も人情も知ら....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
くれと、無理にすすめて彼を連れて行った。夫もかねてその話を聞いているので、女房の
命の親であると尊敬して、是非とも午飯を食って行ってくれと頼むので、彼はよんどころ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
その妖怪を残らず亡ぼして下さいましたのですから、わたくしどもに取りましてあなたは
命の親の大恩人でございます」 そこで、だんだん聞いてみると、その一人はかの銭翁....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
なされとったそうや。して、その軍曹は而も僕を独立家屋のそばまでかかえて来て呉れた
命の親だ。よくよく僕は卑恐の本音を出したもんやらしい。」 「それは僕に解釈さして....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
お話だが七顛八倒。能も生きていられた事と、今でも思うです。しかし、もうその時は、
命の親の、優しい手に抱かれていました。世にも綺麗な娘で。 人心地もなく苦しんだ....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
時めいて躍ったのである。 ――お千と言った、その女は、実に宗吉が十七の年紀の生
命の親である。―― しかも場所は、面前彼処に望む、神田明神の春の夜の境内であっ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
が、湖畔の霜の鷭なのである。―― 「鷭は一生を通じての私のために恩人なんです。生
命の親とも思う恩人です。その大恩のある鷭の一類が、夫も妻も娘も忰も、貸座敷の亭主....
「女客」より 著者:泉鏡花
ると、それを力にしたんです。お庇で活きていたんですもの、恩人でなくッてさ、貴女は
命の親なんですよ。」 とただ懐かしげに嬉しそうにいう顔を、じっと見る見る、もの....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
も、危い芸をつづけた竜次郎は、漸く水草を切払って、小虎を自由の身たらしめた。 「
命の親。この御恩は忘れません」と小虎は真底から感謝した。 「それ処か。少しも早く....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
視て、颯と顔色が蒼ざめたんです。 「あんたはんに恥を掻かせた、済まんなあ、……生
命の親え。」 「…………」 「二階を下りしなに、何や暗うなって、ふらふらと目がも....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
容子で悟った遊女も目が高かった。男は煩悩の雲晴れて、はじめて拝む真如の月かい。生
命の親なり智識なり、とそのまま頂かしった、鏡がそれじゃ。はて総つき錦の袋入はその....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
百合子はまゆみの手をとって唇に強く押し当てて泣いた。 「ありがとう。あんたは私の
命の親だわ」 まゆみは非常に不安だったが、そのまた半面には思いがけない機会が到....
「融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
話になって生活することになりますと、その世話する者は、世話せられる者にとっては生
命の親たる恩人でありますから、これに対しては自分の一切を投げ出して、絶対的に服従....