命令[語句情報] »
命令
「命令〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
命令の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
けるようにし、「その女の素姓《すじょう》だけは検《しら》べておけよ」と小声に彼に
命令した。
三
家康の実検をすました話はもちろん井伊の陣屋....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
使 (ひるみながら)それはお子さんにはお気の毒です。しかし閻魔王《えんまおう》の
命令ですから、どうか一しょに来て下さい。何、地獄も考えるほど、悪いところではあり....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
せたり、如何にも活《い》き活《い》きと横たわっていた。
譚《たん》は若い船頭に
命令を与える必要上、ボオトの艫《へさき》に陣どっていた。が、
命令を与えるよりもの....
「路上」より 著者:芥川竜之介
身を※《ね》じ向けると、
「おい、ウイスキイを一杯。」と、横柄《おうへい》な声で
命令した。
「じゃ、至る所、近づけなかないか。」
「莫迦《ばか》にするな。こう見....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
へ※《ね》じまげると、怒鳴りつけるような声を出して、「おい、ウイスキイを一杯」と
命令した。そうしてそれが来るのを待つまでもなく、本間さんの方へ向き直って、鼻眼鏡....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
をも自由にした。それから炉の火の前へ行って、楽々とあぐらをかいた。二人の女は彼の
命令通り、黙々と食事の仕度を始めた。
二十五
洞穴《ほらあな》の中は広かっ....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
に登っていられたのであります。――その中隊長が木の上から、掴《つか》まえろと私に
命令されました。」
「ところが私が捉《とら》えようとすると、そちらの男が、――は....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
理不尽だと思わざるを得まい。しかし我我は生まれた時から、こう云う莫迦《ばか》げた
命令を負わされているのも同じことである。
我我は母の胎内にいた時、人生に処する....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
椅子《ながいす》へかけると、あっけにとられた細君に細引《ほそびき》を持って来いと
命令した。常子は勿論夫の容子《ようす》に大事件の起ったことを想像した。第一顔色も....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
。 こう云う鼠を狩るために鼠を一匹|捉えたものには一日の上陸を許すと云う副長の
命令の下ったのは碇泊後|三日にならない頃だった。勿論水兵や機関兵はこの
命令の下っ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
――ある陸軍大尉はいつも僕らには厳然としていた。が、実際の機動演習になると、時々
命令に間違いを生じ、おお声に上官に叱られたりしていた。僕はいつもこの教官に同情し....
「狂女」より 著者:秋田滋
かたちだったが、やがて、彼は出し抜けにからからと笑いだした。そして独逸語で何やら
命令を下した。 するとまもなく、幾たりかの兵士が、負傷した者でも運ぶように蒲団....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが途切れて、先生の、まるで叱っているか
命令でもしているような調子の重々しい声が聞えた。また、ときには恐ろしい鞭の音がし....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
心地よい快楽であろう。 八月五日―― 一生涯を通して、人を裁き、判決を下し、
命令をだして殺させ、刀でひとを殺したものを、断頭台で殺してきた私、この私が、これ....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
泰ちゃん」――下駄屋「伊勢甚」の息子木村泰助君の作文だった。「泰ちゃん」は先生の
命令を受け、かれ自身の作文を朗読した。それは恐らくは誰よりも僕を動かさずにはおか....