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「命取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

命取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
って、その中の一個でも、隣人が脊負《せお》ったら、その一個だけでも充分に隣人の生命取りになるのではあるまいかと、思った事さえありました。 つまり、わからないの....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
うじん》様!」 「あでやかあでやか」 「ようよう金沢|暴《あら》し!」 「ここな命取り!」 喝采《やんや》の声のうちに渠は徐《しず》かに面《おもて》を擡《もた....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ると、がらはちまちまっとしていてちっせえが、わっちたち仲間でもおじ毛立つくれえな命取りでごんしてな。あの野郎からその鉄砲をくらって、今まで三人も土俵で命をとられ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
この片っぽの靴下、持ってってやれ。喜代子に、よく云ってナ、春の風邪は、赤ン坊の生命取りだてえことを」 「それが、あの児、両足をピンピン跳ねて直ぐ脱いでしまうので....
斜陽」より 著者:太宰治
、トマトはいい」 「じゃあ、大丈夫ね? なおるわね?」 「しかし、こんどの病気は命取りになるかも知れない。そのつもりでいたほうがいい」 人の力で、どうしても出....
空想日録」より 著者:寺田寅彦
むいて何かしら自分の腰に食いついている目に見えぬ敵を追い払おうとする様子をする。命取りの強敵はもう深く体内に侵入しているがそんなことは熊にはわからない。またあわ....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
らなかったおり(死の六年前に)医学博士佐々木東洋氏が「この肩の凝りが下へおりれば命取りだから大事にせよ」と言われたということなどを思って見ても、早世は天命であっ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
も甲斐はない! ……今後は贖罪あるばかりじゃ! ……お浦、そちのその重傷では、生命取り止むること覚束ないかもしれぬ。そこで云う、今生唯一の希望を申せ! ……左門....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
の御像の真を撮影し得るようになるかは測り知れないが、恐らくその撮影はその写真家の命取りとなるであろうと想像される。 夢殿の救世観世音像は、こういう意味で古今を....
」より 著者:犬田卯
うから村がよくなるのかと思ったら、どうしてどうして貧乏するばかりだ。全くあれは生命取りの瘤だっぺよ。」 「誰か奴をやっつけてくれるものが出ないことには、俺たちは....
乳を刺す」より 著者:邦枝完二
っ白なはだが、あたかも生きているもののようにあらわれた。 「兄貴、やっぱりこれが命取りだな」 「うむ、刃物は大した切れ味だ」 こんもりと盛り上がった乳房の下を....
小説 円朝」より 著者:正岡容
ろを歩かせたりすると気鬱からすぐ労咳になる。労症労咳、繰り返していうようじゃが、命取りじゃ。これは知っていなさるなよく」 またギロリと一同を睨み廻した。恐れ入....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
皮肉な残酷な辱しめを受けて、闇の中に石のように、突立っていた。 悪戯としては、命取りの悪戯であった。侮辱としては、この世に二つとはあるまじい侮辱であった。が、....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
いつも不完全で、わたしは何度注意したか分からないが、今もってその弊は続いている。命取りだ。 次が西銀座にすばらしい店舗を持つ「久兵衛」である。この店の主人は珍....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
。そして恐ろしい胃病のために自分の食欲がなくなっているとは知らなかった。すなわち命取りの胃がんは腹の中で刻々大きくなりつつあったのである。 さすが長年連れ添う....