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「命数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

命数の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
煙りを仰いで舌打ちをした。 「さては火をかけて自滅と見ゆるぞ。暴君の滅亡は自然の命数《めいすう》じゃが、油断してかの妖魔を取り逃がすな。雷震はおらぬか。煙りのな....
ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
ロンの要塞のすぐ隣のロンサン堡塁の砲火も、もうめっきりと衰えていた。リエージュの命数は数えることができた。 翌日は、ドイツの四十三サンチ砲が初めて戦場に現れた....
高野聖」より 著者:泉鏡花
ず》につけるくらいなところ。 鰯《いわし》の天窓《あたま》も信心から、それでも命数の尽《つ》きぬ輩《やから》は本復するから、外《ほか》に竹庵《ちくあん》養仙《....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
、当時一切手を下さず。彼らを仇と狙いて、御身の一生を誤ること勿れ。至嘱至嘱。余の命数尽きたりといえども、静かに天命を待たずして自殺するは、御身に対する我が微衷な....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
病ノタメ部下ハ相ツギテ死シ今ハ『パチノ』独リトナリタレドモ、『パチノ』マタ病ミ、命数ナキヲ知リ自ラ特製ノ棺ヲ造リテ土中ニ下リテ死ス――それからもう一つの文書は比....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
たかも今年に相当するらしいことである。浜主はみずからその笛を作って、みずからその命数を定めたのであろうか。今にして考えると、かの石見弥次右衛門の因縁話も嘘ではな....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
明日の午どきに女真の兵が突然に襲って来て、この城は落ちる。そうして、逃がるまじき命数の者一千三百余人だけは命を失わなければならない。そのうちにはこの寺の僧四十余....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
あれほど頼んで置いたのに、折角の修煉も仇になってしまいました。しかしそれも自然の命数で、あなたを恨んでも仕方がありません。ただその鏡は大切にしまって置いて下さい....
太郎坊」より 著者:幸田露伴
人は落胆したという調子で、 「アア諦めるよりほか仕方が無いかナア。アアアア、物の命数には限りがあるものだナア。」 と悵然として嘆じた。 細君はいつにない主人が....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
けれども、そっくり大きいのが銑さん、小さい方が賢之助に肖ておりましたのも、皆私の命数で、何かの因縁なんでございましょうから。」 いうことの極めて確かに、心狂え....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
た。私は天からの授かりものを自分のものにしようとした。しかし今ではもう遅い。私の命数は定まっていて、どうすることも出来ないのじゃ。それで私への福運を改めて私から....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
を望みない方へ誘う力は、私だけの考えでも、尠くとも三つはある。一つは、歌の享けた命数に限りがあること。二つには、歌よみ――私自身も恥しながら其一人であり、こうし....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
の苦労か、産後からひき起した不健康か。一番大きな原因に思えそうなのはもうすっかり命数だけの子供を生んでしまったので、自然から不用を申渡されたからではあるまいか。....
式部小路」より 著者:泉鏡花
も同然だ。) と薬剤師、その責に任じて、涙ぐんでいったんでがすがね。 先生、命数、」 といった。同時に、 「命数、」 目と目を見合わせ、 「か。」 「も....
田螺」より 著者:北大路魯山人
腸カタルで三人の医者に見離された際(その時分から私は食道楽気があったものか、今や命数は時間の問題となっているにもかかわらず)、台所でたにしを煮る香りを嗅ぎ、たに....