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命知らず
「命知らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
命知らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
て、美しい歯を御見せになりながら、肩を揺《ゆす》って御笑いになりました。これには
命知らずの盗人たちも、しばらくは胆《きも》を奪われたのでございましょう。御胸に迫....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
間《ま》にうかうかと夜歩きをするからじゃ」と、彼は叔母から又叱られた。叔父からも
命知らずめと叱られた。 そうして、四日ばかりは外出を厳しく戒められた。 いか....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
りごみ》する者だよ、殊に此の様な室へ余が独りで忍び込んで居る所を見ては、何の様な
命知らずだろうと奥底を計り兼ね、余が彼を恐れるよりも彼一層余を恐れたと見える。
....
「猿飛佐助」より 著者:織田作之助
の眼は急に生々と輝いた。 「――こりゃ面白い。雨でも越さずばなるまい」 「まア、
命知らずな。悪いことは申しませんから、およしなさいませ。昨日も坊様かお侍様かわか....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
から、旦那は不断女にかけると狂人のような嫉妬やきだし、相場師と云うのが博徒でね、
命知らずの破落戸の子分は多し、知れると面倒だから、次の宿まで、おいでなさいって因....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
世間を嘗めやがる。爪垢で楽譜を汚して、万葉、古今を、あの臭い息で笛で吹くんだ。生
命知らずが、誰にも解りこないから、歌を一つ一つ、異変、畜類な声を張り、高らかに唱....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
には権勢がある」 「某にも権勢はござりますよ」 「どのような種類の権勢やら」 「
命知らずの部下がおります」 「浪人であろう。食い詰め者であろう」 「もっともっと....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
る音! 香具師の一人切られたらしい。 しかし香具師共は二十人以上、しかもその上
命知らず、兇暴の精神の持主である。一時サーッと退いたが、すぐまた民弥を取り巻いた....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
ば事を好まず、穏しく控えて居ればよいに、このあばら組に楯衝いて、箭を射かけるとは
命知らずめ、問答無益、出た杭は打ち、遮る雑草は刈取らねばならぬ! さあ方々おかえ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
それでは。……お八重様!」 二人の女は先へ走った。主税の正面から浪人の一人が、
命知らずにも斬り込んで来た。 「怨、晴らすぞ!」と主税は喚き、片膝折り敷くと思っ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
急所急所で横に縦に、あるいは斜めに振り下ろすのであった。 しかし一方賊どもも、
命知らずの荒男どもで、危険には不断に慣れていた。ことには甲板には二十人あまりの、....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
髪を入れず、三人目の乾児が、 「野郎!」と叫んで、足を薙ぎに飛び込んで来た。 「
命知らずめ!」 と頼母が叫んだ時には、もうその乾児の脳天を、鼻柱まで斬り下げ、....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
て行こうとは気が強えや! ……問答は無益だ叩きのめせ!」 「よかろう、やれ!」と
命知らず共、担いでいた澄江を抛り出すと、脇差を抜き無二無三に、浪之助と藤作とに切....
「深夜の電話」より 著者:小酒井不木
支那人街の一部でずいぶん殺伐なところなんだ。かねて警察でも目をつけていたんだが、
命知らずの連中の寄り合い場所だから、かの蜂の巣をつついて怪我をするようなことにな....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
、ブロム・ボーンズはこの場の大立者だった。彼はこの集りに来るのに、デアデヴィル(
命知らず)という愛馬に乗ってきたが、この馬は彼に似て、元気はいいし、悪戯好きで、....