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和ぐ
「和ぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
和ぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旅愁」より 著者:横光利一
に訊かれるまま話すだけだったが、こうして母と話している間だけ、あたりに光りの満ち
和ぐ思いのするのが、円光に染って休んでいるようで愉しく、屈託のない暫くだった。彼....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
屋の二階でそんな事をしてはいかん、此処は色里であるよ、左様じゃアないか、猛き心を
和ぐる廓へ来て、取るに足らん遊女屋の若い者を貴公が相手にして何うする積りじゃ、馬....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の訓は従来からそうであるが、嘉暦本にはイマゾユキヌルと訓んでいる。「あが念へる情
和ぐやと、早く来て見むとおもひて」(巻十五・三六二七)、「相見ては須臾しく恋は和....
「好意」より 著者:豊島与志雄
れたものであっても、そうでないと河野から一言云って貰えば、それで吉岡の心も解けて
和ぐだろう。 その一事に私は最後にしがみついていった。そして急に凡てが片付いた....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
したあかつきには、いかにしてあの巧妙なる弁舌をもって、病人に勧めてよくその苦痛を
和ぐる下剤を服用させることができましょうや。賢明なる観客諸君のご判断をあおぎたて....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
せず、以て時機の到来を待ちたりしに、爾来《じらい》世運の進歩に随い人の心も次第に
和ぐと共に、世間の観察議論も次第に精密に入るの傾きある其中にも、日本社会にて空前....
「二十一」より 著者:坂口安吾
療法の一つで、何でもいい、何かしら目的をもって行動しておればいくらか意識の分裂が
和ぐのだから、僕は実にはやキチョウメンに、風速何百米の嵐でも出掛けて行った。どう....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
あえて人を軽蔑するのでもなく、また自ら尊大にするのでもない。加茂川は鬼神の心をも
和ぐるという歌人であるのみならず、その気立が優しく、その容貌も優しいので、鼻下、....