和する[語句情報] »
和する
「和する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
和するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
明な民族が、歴史上に存在するのである。しかも東亜大陸は土地広大で戦争の深刻さを緩
和する。 ヨーロッパは元来アジアの一半島に過ぎない。あの狭い土地に多数の強力な....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
っても、私はそのために別項で強調した説明技術の重要性に関する主張をいささかでも緩
和する気持ちはない。むしろそこを通らずして一躍私の意図する方向に進む方法はないと....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
に浮き出して来た。 室内の人工の灯りが徐々に流れ込んで、部屋を浸す暁の光線と中
和すると、妙に精の抜けた白茶けた超現実の世界に器物や光景を彩り、人々は影を失った....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
羯宮が代っている。また、縦横に馳せ違っているジグザグの空隙にも、鐘鳴器の残響を緩
和するという性能以外に、なんらかの意味がなくてはならぬと考えたからだ。ところが熊....
「雷」より 著者:海野十三
只今、お前たちの上にうちつけてやるのだ。うわッはッはッはッ」 その物凄い咆哮に
和するかのように、流れるような雨脚とともに、雷鳴は次第次第に天地の間に勢を募らせ....
「白い下地」より 著者:泉鏡花
って居るがため、其の女の色の白いと然らざるとに論無く、友染の色と女の顔の色とに調
和するに然までの困難は感ぜぬ。緋縮緬に至っては然にあらざることは前に述べた。 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
こういう場合には、情熱が時を得顔にのさばり出て、それがちょうどいい工合に事件と調
和するときには、いつまでもその事件の蔭にとどこおっているものである。 今のジョ....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
いうだけに置かれてあるような事はない。総てにおいてその時代やその人物やその他に調
和するよう誠実に舞台が造られているのである。この点においては正直にいえば西洋物だ....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
それを防ごうとして、君はあの室に柔皮花を持ち込んだんだ。あの香りは、エーテルと中
和するからね。そこで、君の眼に入れたいものがあるんだが……」 と、衣袋の中から....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
ような産毛が淡紅色の調った顔をうずめて居る。 彼は中背で小肥りの体を、金髪に調
和する褐色のツウィードの服で包んで居る。時々女のおどけた調子に、にやにや白歯を出....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
裾を膝まで捲る。心得のある老紳士はそっと彼女に背を向け中庭の薄明が室内の電燈と中
和する水色の窓硝子に疲れた眼を休ませる。客商売である帳場の者はもちろんこういう時....
「妖怪学」より 著者:井上円了
同調にある一詩を朗吟するときは、その他の一人は知らず識らず微声を発して、これに誦
和すると同一理なり。 手の先より細糸を引き出す秘法 俗間に伝わるところのいろい....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ずる国際または経済的方面の研究調査にはやはり少しも同感しないで、二葉亭の不平を融
和する旁ら、機会あるごとに力を文学方面に伸ばさしめようと婉曲に慫慂した。二葉亭は....
「六日月」より 著者:岩本素白
持て囃されない検校さんに、「残月」の緩やかな手のところでも弾いて貰ったら、或は調
和するかも知れない。 そんな詰らぬことを考えながら歩いて行くと、道一杯を挟んで....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
うるに東洋に於ては強大民族の常時的対立が無く、かつ土地広大のため戦争の深刻さを緩
和する事が出来た。欧州では強大民族が常に対立して相争いかつ地域も東亜の如く広くな....