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和らぎ
「和らぎ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
和らぎの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
祈りをわたしのようなもののためになさってくださるのは御無用に願います」
葉子は
和らぎかけた人々の気分にはさらに頓着《とんじゃく》なく、壁に向けていた目を貞世に....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
も万華鏡のような悪どさではなく、どこか、縹渺《ひょうびょう》とした、この世ならぬ
和らぎ。これが、人間をはばむ魔氷の底かと、時々四人はぐるりの壁に見恍《みほ》れる....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
さに飾られて永遠の神々の前に出できて、 あらゆる人間にも永遠なる神々にも、静かに
和らぎて 胸の中深く、知恵と思慮ある決断をも馴らし従えぬ。 渾沌よりエレボスは生....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
べきを知り、迷信を以て嘲けらるるに拘わらず、今日と云う今日、大胆に、明白に、主の
和らぎの福音を説かんことを(哥林多後書五章十八節以下)。....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
て帰りなんと欲す。――一椀喉吻潤。二椀破。枯腸は文藻の乏しきを言う。習習は春風の
和らぎ舒びるかたち。玉川子とは盧同自身をさす。 一八 関尹――関令尹喜。周の哲学....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
の調子がちがってくる)寺の後事はお前に託したぞ。仏様に祈りつつ、すべての事を皆と
和らぎ、はかって定めてくれ。この世には無数の不幸な衆生がいる。その人たちを愛して....
「黴」より 著者:徳田秋声
あったが、病児を控えている二人の心は、一緒に旅をして狭い船へでも乗った時のように
和らぎあっていた。小さい生命を取り留めようとしている優しい努力、それをほかにして....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
気を醸しているようにみえる。これはその内に入ればおのずと祈りたくなる寺院や、人と
和らぎたくなる墓地やあわれみの起こる病院や、厳粛になる実験室や、素直な、温かい心....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
笑を自分で味っていた。今になってみると、もう惨めでもなんでもなく、却って安らかな
和らぎさえも覚えるのである。憂鬱の底へと沈み沈み、落着くところへ落着いた感じだ。....
「英彦山に登る」より 著者:杉田久女
もない。魂の静かさが、天地と共にぴたりとふれあっている。自然のふところに抱かるる
和らぎ、じつに爽快な孤独の心地なのである。ただもう澄みきった心地で、霧をながめ、....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
固かった、信念がぐらぐらに揺ぎだしてくるのだ。 しかし祖母の眼は、孫娘をみると
和らぎと愛に、一度は、渇いてかさかさになったのが濡れはじめすうっと頬を伝わる。も....
「イオーヌィチ」より 著者:神西清
赦し、悲哀、それから安息がいぶいて来るのだった。 あたりは沈黙だった。この深い
和らぎの中に、大空からは星がみおろしていて、スタールツェフの足音がいかにも鋭く、....
「地上」より 著者:島田清次郎
廻るのだった。(とに角いいことには違いない。教師も学生も異邦人も男女も一緒に悦び
和らぎつつ唱うことは! ただそのいっしょさが浅すぎる……) 学校を終えて天野の....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
だ路は、生も死も風にまかせて喜望峰に入ったのである。) 十六日、快晴。暁海、風
和らぎ波滑らかにして、ただ緩漫なる大波動を見るのみ。アフリカ州南端の連山、眼前に....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
、試練の時に当たってベートーヴェンに助けを求め、彼の力強い親切な魂の中で、苦悩の
和らぎと生きる勇気とを汲み採られて来たのであった。 ここで私がいいたいと思うこ....