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和服
「和服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
和服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
い目や細っそりした顋《あご》にも明らかだった。重吉はこの茶の間へはいると、洋服を
和服に着換えた上、楽々と長火鉢の前に坐り、安い葉巻を吹かしたり、今年やっと小学校....
「冬」より 著者:芥川竜之介
の向うにある刑務所の玄関《げんかん》へ歩いて行った。
玄関の石段を登った左には
和服を着た人も何人か硝子《ガラス》窓の向うに事務を執《と》っていた。僕はその硝子....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
………
五
戸沢《とざわ》やお絹《きぬ》の夫が帰ってから、
和服に着換えた慎太郎《しんたろう》は、浅川《あさかわ》の叔母《おば》や洋一《よう....
「路上」より 著者:芥川竜之介
た。
三十六
下宿へ帰って来た俊助《しゅんすけ》は、制服を
和服に着換《きかえ》ると、まず青い蓋《かさ》をかけた卓上電燈の光の下で、留守中《....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
二十年余りの閑日月《かんじつげつ》は、少将を愛すべき老人にしていた。殊に今夜は
和服のせいか、禿《は》げ上《あが》った額のあたりや、肉のたるんだ口のまわりには、....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
―半三郎はこう考えるたびに、どうしても彼の脚だけは隠さなければならぬと決心した。
和服を廃したのもそのためである。長靴をはいたのもそのためである。浴室の窓や戸じま....
「或る女」より 著者:有島武郎
しい過去と縁を切って、何の関《かかわ》りもない社会の中に乗り込むのはおもしろい。
和服よりもはるかに洋服に適した葉子は、そこの交際社会でも風俗では米国人を笑わせな....
「或る女」より 著者:有島武郎
そういってまだ言葉を切らないうちに、もうとうに横浜に行ったと思われていた倉地が、
和服のままで突然六畳の間にはいって来た。これは葉子にも意外だったので、葉子は鋭く....
「星座」より 著者:有島武郎
方に行って駄菓子を取ってきてそれを立ち喰いしながら、駄々子のように母に手伝わせて
和服に着かえた。清逸に挨拶一つしなかった。清逸一人が都会に出て、手足にあかぎれ一....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
後にまわる気配がして、こんどは肩の上からゾロリとした着物のようなものを着せた。(
和服らしい?) すると、こんどは腰骨のあたりを、細い紐でギュウギュウと巻いた。....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
の大江山捜査課長以下は、鑑識課員を伴って現場に急行した。現場には同人のものらしき
和服と二重まわしが脱ぎ捨てられてあったが、その外に何のため使用したか長い麻縄が遺....
「奇賊悲願」より 著者:海野十三
のお志万と、この三人だけの水入らずの夕餉だった。 お志万は丸ぽちゃの色白の娘で
和服好み、襟元はかたくしめているが、奥から覗く赤い半襟がよく似合う。お志万は天駆....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
しょう。行方不明になった谷村博士も黒田警官も洋服を着ている筈です。兄は私と同じく
和服でありました。するとこの裸の足は、ああ…… 私はそう思うと、頭がクラクラと....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
と講堂の扉をあけて、なかに這入っていった。 ガランとしたその大きな講堂のなか。
和服に長袴をつけた少女が八、九人、正面の高い壇を中心にして、或る者は右手を高くあ....
「こがらし」より 著者:岩本素白
物わびしい午後などになると、きまって誰か、僕はもう帰ろう、と言い出す者があった。
和服の懐へ無精らしく入れて居た手を出して荷物を包み出すと、又一人が、こんな日に火....