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「和楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

和楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
この悲しげな雨の寂しさに堪えないで歩いてる人もあろう、こもってる人もあろう。一家和楽の庭には秋のあわれなどいうことは問題にならない。兄の生まじめな話が一くさり済....
不審庵」より 著者:太宰治
わず談話の節を紊さず、質素を旨とし驕奢を排し、飲食もまた度に適して主客共に清雅の和楽を尽すものは、じつに茶道に如くはなかるべしと被存候。往昔、兵馬|倥※武門勇を....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
と鼻突合わして互に疑いもせず、皆悠々と小春の恩光の下に遊んで居る。「小春」とか「和楽」とかの画になりそう。 * 細君が指輪をなくした....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
礼をすますものもある、けれど廻礼には大方二日以後の日を択び、元日はただ※笑の間に和楽して終るが多い。 二日は初湯、初荷、買初、弾初、初夢など江戸ッ児にとっては....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
を殺し、自分は品行を正しくして村のために善事をつくした。ここにおいてこの村は太平和楽になった。 巌は読むともなしにそれを読んだ。突然かれの頭に透明な光がさしこ....
社会時評」より 著者:戸坂潤
、黒田嬢の御輿入れの場合には、幸にしてそうした×××××××××、ただただ歓声と和楽の裡に、海外発展の事が幾久しくめでたく取り行われるのである。 吾々は口うる....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
、お互に仕合せだナア」と、それほど立入った細かい筋路がある訳では無いが、何となく和楽の満足を示すようなものが見える。その別に取立てて云うほどの何があるでも無い眼....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》も舞い、木人も歌い、水入らずの極楽天地であります。 こうして、すべてが泰平の和楽に我を忘れて興じ合っているのを見て、当然これに捲き込まれた七兵衛が、急になん....
高知がえり」より 著者:寺田寅彦
している。沖の礁を廻る時から右舷へ出て種崎の浜を見る。夏とはちがって人影も見えぬ和楽園の前に釣を垂れている中折帽の男がある。雑喉場の前に日本式の小さい帆前が一艘....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
。一時のいさかいを捨てて、この平和な食事のあいだに、神に祈りを捧げながら、血縁の和楽と愛の中に一致和合してくださりませ……」 「いや、いや、だめなことです!」と....
俳優倫理」より 著者:岸田国士
深みがあり、力強いとは云えなくても、十分に圧縮された声です。声は勿論、声楽とか、和楽のいろいろな歌、長唄、義太夫、謡曲、そういうもので最も自然に直接鍛えられます....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
徳を増し、国を盛んにし民を富ませ、下は仕うる個々の人々の心を統一純粋に帰せしめ、和楽内にあり平和四周にあり、幸福と安心との殿堂に、住居することができるでござろう....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
位あればちょっとよい方の側で妻君もなかなか気の利いた美人です。ですから一家の内は和楽して実は悦ばしく過して居たのです。また世間から見ても財産もあり万事整うて居る....
味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
思惑がはさまれていない。ありのままの料理。それは素人の料理であるけれども、一家の和楽、団欒がそれにかかわっているのだとすれば、精一杯の、まごころ料理になるのであ....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
ぶべき現象ならずや。今日において、徳川氏三百年の泰平治下に養はれたる特長を、四民和楽の間に求めんとせば、浅草区をおきてこれなきなり』と前記「浅草繁盛記」の著者は....