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「和紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

和紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
深夜の市長」より 著者:海野十三
て、主任からその日の仕事を与えられているところだった。その日の僕の仕事は、終日、和紙を綴じた部厚い書類を読破することであった。僕はガランと広い部屋の片隅に席をと....
道標」より 著者:宮本百合子
上で小包をほどいて、伸子と素子とは、ひっぱり合うようにしてその美しい柿の絵のある和紙木版刷の表紙をもつ天金の本を眺めた。 その小説は日本の中産階級の一人の若い....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
き綿を検するに、古色等、記録の時代と略相当するを認む。灰は検鏡分析の結果、普通の和紙と、絹布とを焼きたる形跡を認むるのみ。表装用の金糸、又は軸に用いられたるべき....
旅愁」より 著者:横光利一
たが、その中に東京で講演を聞いたことのある東野という前に作家をしていて、今はある和紙会社の重役をしている中年の男だけ一人、矢代の方を見詰めたまま黙って煙草を吹か....
入梅」より 著者:久坂葉子
として紙屑を燃やした。紙屑は、図案のかきつぶしである。めらめらと燃えるたくさんの和紙の中に、毛虫共は完全に命を終えた。その時、私は夫のことを思い出した。戦争に征....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は紙そのものが欠乏いたしまして、本にさえ「日本紙漉史」という本が出来、芥川賞は「和紙」という小説に与えられるという状況になりました。清少納言が「白い紙」いとめで....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は手の切れるような十円札の百枚束、千円という大金のフクサ包みが出てきたが、立派な和紙で包まれていて、小銭入れと別になっているのを見ると、人にやる金か、人から貰っ....
カタカナニツイテ」より 著者:伊丹万作
ノ活字ヲ見タラダレニモワカルダロウ。 二、ヒラガナトイウモノハ、元来毛筆ナラビニ和紙トイウモノトトモニ育ツテキタモノデ、ソレラヲ離レテハホトンド生命ノナイモノト....
光は影を」より 著者:岸田国士
して、信州松本在に住む六笠久史なる差出人の見当がつきかねた。 が、封を開いて、和紙の水色の書簡箋にやゝ薄めの墨で、まず、京野等志さま、と書き出した、その調子で....
少年の食物」より 著者:木村荘八
富士登山」と云うのはフジトさんと云う人だと思い、何だか寂しい気がしました。直きに和紙が洋紙になったようでしたが、和紙の方がやわらかで好きでした。 多分芳年の筆....
武鑑譜」より 著者:服部之総
万治郎が販売書林として名をつらねている『改正官員録 甲』という一冊もここにある。和紙四つ折百八十六丁、五号活字二段組でぎっしりつまっているのが、内閣総理大臣兼内....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
のを置くのを誇りとしています。襟円の半襟、阿波屋の下駄、「さるや」の楊子、榛原の和紙、永徳斎の人形、「なごや」の金物、平安堂の筆墨、こういう店々は東京の人たちに....