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「和郎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

和郎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
まよえる猶太人」だとわかったかと云うと、「上人《しょうにん》の祈祷された時、その和郎《わろう》も恭しく祈祷した」ので、フランシスの方から話をしかけたのだそうであ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
《われ》は。見ずに。今《いんま》にな俺《お》ら汝に絹の衣装べ着せてこすぞ。帳場の和郎《わろ》(彼れは所きらわず唾《つば》をはいた)が寝言べこく暇に、俺ら親方と膝....
片信」より 著者:有島武郎
いるよりいたしかたがない。 僕の感想文に対してまっ先に抗議を与えられたのは広津和郎氏と中村星湖氏とであったと記憶する。中村氏に対しては格別答弁はしなかったが、....
広津氏に答う」より 著者:有島武郎
私が正月号の改造に発表した「宣言一つ」について、広津和郎氏が時事紙上に意見を発表された。それについて、お答えする。 広津氏は、芸術....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
と、千枝松はあざけるように笑った。 「はて、天狗じゃない、人間じゃというに……。和郎《わろ》もそのいたずら者を見つけたら、教えてくりゃれ」と、婆は睨むような白い....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
、死にさらさぬ。) (死……死なぬとは?) (京への、京へ、遠くへ行ている、弟|和郎に、一目未練が残るげな。) 幹事はハタと口をつぐんだ。 (そこでじゃがや、....
死までを語る」より 著者:直木三十五
私も遊びに行けなくなった時に、もう小説を書いて、売出していたのが、谷崎精二、広津和郎、舟木重信氏らで、国枝史郎が「レモンの花の咲く丘へ」とか「胡弓の弦の咽び泣き....
薬草取」より 著者:泉鏡花
後へ、腰の両提の中をちゃらちゃらさせて、爺様頼んます、鎮守の祭礼を見に、頼まれた和郎じゃ、と言うと、船を寄せた老人の腰は、親仁の両提よりもふらふらして干柿のよう....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
が膝を抱く。――その時、段の隅に、油差に添えて燈心をさし置いたのである。―― 「和郎はの。」 「三里離れた処でしゅ。――国境の、水溜りのものでございまっしゅ。」....
紅玉」より 著者:泉鏡花
ぞとな、お二めが、体の可い事を吐す癖に、朝烏の、朝桜、朝露の、朝風で、朝飯を急ぐ和郎だ。何だ、仇花なりとも、美しく咲かしておけば可い事だ。からからからと笑わせる....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
冠り方等も、皆それぞれの注意が職業や趣味によって工夫されているようだ。いつか広津和郎氏が築地小劇場風の冠り方ということを手真似までして話してくれたことがあったが....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
首から、頸へかけて、耳を蔽うまで髪の伸びた、色の黒い、巌乗造りの、身の丈抜群なる和郎一人。目の光の晃々と冴えたに似ず、あんぐりと口を開けて、厚い下唇を垂れたのが....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
別な例外でない限り、文芸家の多くの者はリベラリストに数えられる。豊島与志雄、広津和郎、菊池寛、杉山平助の諸氏は多分最も意識的なリベラリストであるらしい。不安文学....
傍人の言」より 著者:豊島与志雄
、あらゆる精進を、すべて排斥するかに見える。しかしそうなってくると、例えば、広津和郎の「故国」など、最も立派なものと云わなければならないだろう。労を惜しんだ取扱....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
くなったらしい。ぬれた手で鼻の下をこすりながら無愛想に答えた。 「はて、しつこい和郎じゃ。ただ足休めに立ち寄られたまでじゃ。別に子細はないと言うに……。」 そ....