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「和音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

和音の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
相撲」より 著者:寺田寅彦
はあろうが、この同じヘブライ語が「撲」の漢音「ボク」に通ずるのが妙である。一方で和音「すまふ」はこれは相撲の音から転じたものであるに相違ない。bはmに、kはhに....
感覚と科学」より 著者:寺田寅彦
識の間に安々と仕上げて、音の成分を認識すると同時に、またそれを総合した和弦や不協和音を一つの全体として認識する。また目は、たとえば、リヒテンベルグの陽像と陰像と....
蓄音機」より 著者:寺田寅彦
まりにはなはだしい雑音はやはり耳ざわりには相違ない。しかし一つの曲に修熟してその和音や旋律を記憶して後にそのレコードの音を専心に追跡しあるいは先導して行く場合に....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
ある。またあまりに美しい完全な和弦が連行すると単調になり退屈になるので適当な不協和音を適当に插入《そうにゅう》することによって、曲の変化と活気が生じる。それと同....
「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
いに著しく異なる特徴をもっている、それをいっしょに相戦わせることによってそこに協和音のシンセシスが生ずる。しかしその場合の争闘相剋は争闘のための争闘ではなくて協....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
と音との協和不協和よりも前句と付け句との関係は複雑である。各句にすでに旋律があり和音があり二句のそれらの中に含まれる心像相互間の対位法的関係がある。連歌に始まり....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
れてることを忘れるくらいだったのである。管弦楽《オーケストラ》が始まった。最初の和音を聞くや否や、クリストフは心が落着くのを感じた。その音響の世界では、自分の家....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
オルガニストで、祖父の友人であったが、いたって学者で、クリストフが最も好んでいる和音、やさしく耳と心とをなでてくれて、それを聞けばかすかな戦慄《せんりつ》が背筋....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るものであるかを、彼は見分けることができなかった。いずれにも同じく興味がもてた。和音のそよぎ、鐘のように鳴り響く色調、蜜蜂《みつばち》の羽音に似た和声《ハーモニ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
と主張し、他方は音楽は垂直に読むべきものだと主張していた。後者の人々は、味のよい和音、汁気《しるけ》の多い連結、滋養分に富んだ和声、などばかりを問題にしたがって....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ってるのに、みずから気づいてまごついたが、しまいにぴったりひきやめて、正しくない和音を二度ひき、間違った和音をも一つつけ加えて、それで終わりとしてしまった。ポア....
津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
う。完全和絃ばかりから構成されたものは音楽とはなり得ないように絵画でも幾多の不協和音や雑音に相当する要素がなければ深い面白味は生じ得ないではあるまいか。特に南画....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
あのたまらなくよい音を出した。老人がそれを終るとすぐ、今度は若者が、老人の楽器の和音にも小鳥の歌にも似ない単調な音を、弾かずに出しはじめた。あとになってからそれ....
智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
紙絵は、まったく彼女のゆたかな詩であり、生活記録であり、たのしい造型であり、色階和音であり、ユウモアであり、また微妙な愛憐の情の訴でもある。彼女は此所に実に健康....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
った……沈黙……最初の音が鳴り出すと、もう私は一つの森の中にいた。始まりの大きい和音の上にオーボエとクラリネットとがそのゆるやかな夢想を繰りひろげ、転調の影がそ....