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咏
「咏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
咏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女の決闘」より 著者:太宰治
つ》であります。いいとしをして思慮分別も在りげな男が、内実は、中学生みたいな甘い
咏歎《えいたん》にひたっていることもあるのだし、たかが女学生の生意気なのに惹かれ....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
い出すような謙信ではなかった。 八月十六日以来、謙信は只々山上を逍遙して古詩を
咏じ琵琶を弾じ自ら小鼓をうって近習に謡わせるなど余裕|綽々であった。直江大和守等....
「家」より 著者:島崎藤村
話が好きで……父親さんが生きてる時分には、よく沢田さんの御宅へ伺っては、歌なぞを
咏んだものだぞや」 こうお種が言出したので、老人も思出したように、 「ええ……....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
ど気楽じゃ無い。人形町に憧がれたものが万年町を歌うようになるかも知れない。都会の
咏嘆者が田舎の讃美者とならざるを得なくなる。 ▲文科大学の学費を調べたものを見....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
処かに浮気な態度があって昔の硯友社や根岸党と同一気脈を伝うるのを慊らず思ってる。
咏嘆したり長※したり冷罵したり苦笑したりするも宜かろう。が、人生の説明者たり群集....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
と思うな身を守れ おのずから洩る賤家の月 仮字書之口伝第三章「残心」を
咏った極意の和歌、――意味は読んで字の如く、じっと一身を守り詰め、敵に自ずと破れ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
と、大塚氏のは一種ホロ甘い蒸気につつまれているので、その印象は説得的であるよりも
咏嘆的だと云ってもいいかも知れない。一つにはこの福田門下の偉才は同時に優れた詩人....
「別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
一寸だったなあ。……そういうようなのが果敢き縁というのだなあ!」 と、私の心を
咏歎するように言った。私もそれにつれて、少しじめ/\した心地になって、唯、 「う....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
りながら、或雪の降った日に、往事のことをも追懐せられつつ吉隠の方にむかってこの吟
咏をせられたものであろう。この歌には、解釈に未定の点があるので、鑑賞にも邪魔する....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
の教科書の中でそれらの詩に出会った時、君は果してどんな感懐を覚えたか。 父の吟
咏の調子は、自己流の怪しげなものだった。然し、空には星が実にきれいに光っている。....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
なものは、ほとんど少ししか具っていないものだ。水鳥の羽の音に驚き、飛鳥川の洪水に
咏歎をもらすたぐいだろうと思うのである。 大黄河にも及びもつかないが、利根川の....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
時のことを「かなしかる初代ぽん太も古妻の舞ふ行く春のよるのともしび」という一首に
咏んだ。私のごとき山水歌人には手馴れぬ材料であったが、苦吟のすえに辛うじてこの一....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
。 江戸を飾っていた桜の花が「ひとよさに桜はささらほさらかな」と、奇矯な俳人が
咏んだように、一夜の嵐に散ってからは、世は次第に夏に入った。苗売り、金魚売り、虫....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
左傾と臆測するよりももっと早呑み込み過ぎる。 六 『八犬伝』の人物
咏題 が、馬琴の人物がドウあろうとも作家として日本が産み出した最大者であるは何....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
い》続々として出板せられたり。しかしてこれらの絵本はいづれも当時著名の狂歌師の吟
咏《ぎんえい》を画賛となせり。狂歌集『狂月望《きょうげつぼう》』及『銀世界《ぎん....