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咳く
「咳く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
咳くの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
た為め、娘は何んなに気をもんだであろう。泣く為めに熱が出る。熱のために咳が出る。
咳くたびに命が縮んで行ったのだ。私は何と云う悪いいたずらをして了った事であろう。....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
です。」 「では……」 茶店の婆さんというのが、式のごとく古ぼけて、ごほん、と
咳くのが聞えるから、夫人は余り気が進まぬらしかったが、二三人|子守女に、きょろき....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
。安置してしまうと行列は静かに蔵から外へ出る。この間少しも喋舌ることは出来ない。
咳くことさえ憚るのである。この時信玄は殿として、最後に宝蔵から出て来たが、再び鍵....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
人は何も知らないのでありますから、先方へ参りましたならば、いやが上にも御静粛に、
咳くしゃみ等はもちろん、物音一つお立てにならないよう、これだけは切にお願い申す次....
「人面瘡物語」より 著者:田中貢太郎
「申しあげます、御待ち兼ねの御客様が御見えになりましてございます」 障子の内に
咳く声がした。 「此方へおとおし申してくれ」 家臣は縁側に躪りあがって障子を左....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
き、村の末風山福徳寺の鐘が、人の撞かぬのに大信寺の鐘に応えるが如く、自ら低く唸り
咳くのである。この話は、象徴的な興味深いところがあるけれど、語りだせば余りに長く....