咽び泣き[語句情報] » 咽び泣き

「咽び泣き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

咽び泣きの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死までを語る」より 著者:直木三十五
二、広津和郎、舟木重信氏らで、国枝史郎が「レモンの花の咲く丘へ」とか「胡弓の弦の咽び泣き」とかという題の作を出したのもその頃である。 同級生の中では、同じ姓が....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
まわした。……聞えるか聞えぬかわからぬ位、弱って来た隣室の物音と、切れ切れに起る咽び泣きの声から、自分の注意を引き離すべく……そうして出来るだけ急速に自分の過去....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
ラハラとあふれ落ちた……と思う間もなく畳の上に、両袖を重ねて突伏すと、声を忍んで咽び泣き初めた。……そのスンナリとした襟筋……柔らかい背中の丸味……腰のあたりの....
バルザックの寝巻姿」より 著者:吉行エイスケ
しオウギュスト・ロダン氏の墓の前に跪まって、過去のロダンさんの妾に対する深い愛に咽び泣きました。そしてその時妾は、妾の背後に啜り泣きの声をきいたのです。それは黒....
遺書に就て」より 著者:渡辺温
て、わたくしにしてみればこれ以上隠し立てをするわけにはゆきません……』と美代子は咽び泣きながら役人に打ち明けた。 わたくしはそれで、結局小野さんと葛飾と何方が....
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
君の生活はもう二度と立て直ることはないだろう、という気が僕にはする。」 昌作は咽び泣きが胸元へこみ上げてくるのを覚えた。身体中が震えた。そして叫んだ。 「そう....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
怪のように顫わしている。気象の勝った男勝りのお粂が何ゆえにそのように弱々しそうに咽び泣きなどをはじめたのであろう? 磊落で豪放で親切な紋也が、何ゆえに冷然として....
決闘」より 著者:神西清
ますの。」 「そんなことみんな小っぽけなことばかりですわ」とナヂェージダは大声に咽び泣きながら、「私が仕合わせでありさえすればねえ。でも私こんなに不幸なんですも....
」より 著者:神西清
いることも書くこともできなかった。階下からは時どき鈍い呻き声が伝わって来た。妻の咽び泣きだ。いつもおとなしい睡そうな殊勝顔の従僕アレクセイが、しょっちゅう蝋燭の....
はつ恋」より 著者:神西清
てね」 わたしは、フィリップを下がらせると、ベッドの上にころがった。わたしは、咽び泣きに泣きもしなかったし、絶望の俘にもならなかった。また、そんな事がいったい....
妖影」より 著者:大倉燁子
。確かに娘です。私は何だか急に胸が一杯になって、狂気のようになり娘の膝に頭をのせ咽び泣きをいたしました。 軈て少し心が落ちつきますと、室内の余りに冷えきって寒....