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哀傷
「哀傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哀傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
に適した葉子は、そこの交際社会でも風俗では米国人を笑わせない事ができる。歓楽でも
哀傷でもしっくりと実生活の中に織り込まれているような生活がそこにはあるに違いない....
「明暗」より 著者:夏目漱石
なげると、結果はまた新らしいおかしみになった。しかしそのおかしみは微《かす》かな
哀傷を誘って、津田の胸を通り過ぎた。
「尨犬じゃないよ、小父さんが受け合ってやる....
「弓町より」より 著者:石川啄木
~~~~~~~~~~~~~~~~~ 詩を書いていた時分に対する回想は、未練から
哀傷《あいしょう》となり、
哀傷から自嘲《じちょう》となった。人の詩を読む興味もま....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
わずの凶年に騒いでいた馬籠あたりの村民を待ち受けていようとは。それは一切の過去の
哀傷を葬り去ろうとするような大きな騒動にまで各地に広がった。そして、多くの人の心....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
せながら、――生の歓びに酔いしれる南国人の・それ故にこそ、死に対して抱く絶望的な
哀傷を以て――低く眩いた。 「トファ(眠れ)! ツシタラ。」....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
性の肉体を見せられると、「あっ」と心頭に上り来ったのは、間の山以来のその複雑した
哀傷の名残《なご》りでした。 そこで彼は身ぶるいしながら、篤《とく》とその肉体....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
と云はなくに 〔巻二・一六六〕 同 大津皇子を葛城の二上山に葬った時、大来皇女
哀傷して作られた御歌である。「弟背」は原文「弟世」とあり、イモセ、ヲトセ、ナセ、....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
|貂の外套も、燃えるような緑髪も、きらびやかな太夫着の朱と黄金を、ただただ静かな
哀傷としてながめられた。 しかし、上陸した時には、糧食も残りわずかになっていて....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
これがあなたがたの最後の涙ではないのだ! 葬いの慟哭はふたたび起り、あなたがたの
哀傷の声は幾度となく人の耳を打つだろう! あなたがたの息子、血のつながる者、むか....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
かな 焼場に菫が咲いているのである。遺骨を拾う人と対照して、早春の淡《あわ》い
哀傷がある。 春雨や暮れなんとして今日も有《あり》 「暮れなんとして」は「のたり....
「叔父と甥と」より 著者:岡本綺堂
一の死によりて限りなき苦痛を味うこととなりたり。あまりに女々しとは思いながらも、
哀傷の情いまだ癒えがたきを如何にすべきか。 唐がらし鬼に食はせて涙かな 家に帰....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
ように漠然として取留めがなく、真相は終に永久に葬むられてしまったが、歓楽極まって
哀傷生ず、この風説が欧化主義に対する危惧と反感とを長じて終に伊井内閣を危うするの....
「銀座」より 著者:永井荷風
し》のさらいの会に、自分は光沢《つや》のない古びた音調に、ともすれば疲れがちなる
哀傷を味った事もあった。 しかしまた自分の不幸なるコスモポリチズムは、自分をし....
「妾宅」より 著者:永井荷風
げく》、嬲《なぶ》り殺しにされてしまう傷《いたま》しい運命。それから生ずる無限の
哀傷が、即ち江戸音曲の真生命である。少くともそれは二十世紀の今日《こんにち》洋服....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
、歌の部立、つまり分類も、『古今集』が春・夏・秋・冬・賀・離別・羇旅・物名・恋・
哀傷・雑・雑体・大歌所御歌としてから、大体この方針が承け継がれた。物名や大歌所御....