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「哀史〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

哀史の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
島原の乱」より 著者:菊池寛
法度たるべき禁令を布いた。これより宗門の徒の迫害を受けること甚だしく、幾多の殉教哀史をとどめて居ること世人の知るが如くである。 九州の地は早くから西洋人との交....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
者の一人息子で、友太郎という立派な日本人だ。彼奴の一身上の事を話すと、優に一篇の哀史が出来上るんだが、要するに彼奴のおやじの林友吉というのは筑後|柳河の漁師だっ....
昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
芽ぐむもの」藤森成吉の「狼へ!」「磔茂左衛門」宮嶋資夫の「金」細井和喜蔵の「女工哀史」「奴隷」等は新たな文学の波がもたらした収穫であった。 この新興文学の社会....
若き精神の成長を描く文学」より 著者:宮本百合子
くすくと伸びられていたのだろうか。その点についての実際は例えば細井和喜蔵の「女工哀史」などはただ一巻の頁のうちに若く稚い魂と肉体の無限の呻吟をつたえている。そう....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
た。 この時代に、今日も猶歴史的な文献としての価値を失わない細井和喜蔵の「女工哀史」が書かれたのであった。 深く且つひろい社会の動きと文学の渦潮とは、次第に....
新しい婦人の職場と任務」より 著者:宮本百合子
業国として持っている歴史的な独特性である。故細井和喜蔵氏によって著わされた「女工哀史」はそういう特性をもった日本の若い無抵抗な労働婦人が、ある時代に経なければな....
衣服と婦人の生活」より 著者:宮本百合子
場水をうったようになった、と記録されているのをみても分る。また細井和喜蔵の「女工哀史」は日本の悲劇的記録である。第一次ヨーロッパ大戦後に出来た国際連盟の世界労働....
その檻をひらけ」より 著者:宮本百合子
六月五日の読売新聞に「女工哀史の寄宿舎通勤制に」という記事が出ていた。 経済再建のトップに立つ日本の紡績....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ストイが「戦争と平和」を脱稿したのは、この前年であります。フランスのユーゴーが「哀史《レ・ミゼラブル》」を公《おおや》けにしたのは、その五年ほど以前であります。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
すでに源氏物語の六倍、八犬伝の約三倍強の紙筆を費してなお且つ未完。量を以てすれば哀史、和戦史も物の数ではないということになる。 起稿の時、著者青年二十有余歳、今....
戦争と気象学」より 著者:寺田寅彦
ユーゴーは『哀史』の一節にウォータールーの戦いを叙してこう云っている。「もし一八一五年六月十....
遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
う小説を書いた、近松秋江《ちかまつしゅうこう》氏に同情して、この人のロストラブの哀史を、同情をもって読んでみようと思うといったりしていた。 立場の違う苦しみに....
イエスキリストの友誼」より 著者:新渡戸稲造
色がほのみえる。十頁二十頁となると死を以て筆を馳《は》せたものが多い。ユーゴーの哀史を見ても直ぐにわかる。人は必ず懐中の哀史 〔Les Mise'rable〕 ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
劇の下地も、すでに地表に見え出していましょう。 とまれ、清盛亡きあとの、平家も哀史一路をたどるのではありますが、興る源氏も、これを大観すれば、決して祝福されて....