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「哀号〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

哀号の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
と思われるまで絞りあげる男の叫び声が聞えはじめたのである。それは金の声であった。哀号哀号、と叫び立てる声がやがて、うおーッうおーッというような声に変って行く。....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、下衣を剥がせて地にひき伏せ、鞭をあげて打ち据えるのである。打てば血が流れ、その哀号の声はあたりの森に木谺して、凄惨実に譬えようもなかった。 その折檻が終ると....
碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
柳成竜等百余人に護られて、遠く蒙塵する事になった。四月二十九日の午前二時、士民の哀号の声の中を西大門を出たのである。 行長、清正の二軍は、忠州に相会した後再び....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
の一生もこのまんま泣き寝入りになるのか。回天の事業、独力を奈何せん……と人知れず哀号を唱えているところへ又、天なる哉、命なる哉と来た。……彼の林青年……友吉の忰....
スモーリヌイに翻る赤旗」より 著者:宮本百合子
哀訴にやって来た。群衆の中には無数の女子供があった。彼らがひざまずいて祈りはじめ哀号しはじめると、皇帝ニコライは慈愛深い父たる挨拶として無警告の一斉射撃を命じた....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
泣の中断を続けるの段取りとならなければならぬ。 果して、金椎が立去ったあとで、哀号の声がしきりに起りました。 その哀号を遠音に聞きながら、駒井甚三郎は人間の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、じたばたしないでおとなしく引かれて行けよ」 「御免、御免」 マドロスは、また哀号の声を高くして、 「御免、船ヘ戻ルコト、オ許シ下サイ、船ヘ戻レバ殺サレルデス....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
卸してみたが、途中まで来て、どっちへ曲げていいかわからない、そこで行先をたずねて哀号する子供がある。 「右へ曲げるだよ、右へ」 ところが、右と左の観念がよくわ....
三国志」より 著者:吉川英治
。 もちろん董一家の男女は一名もあまさず捕われ、府内の獄に押しこめられたので、哀号悲泣の声は憐れというもおろかであった。 時に、荀※は、府門を通って、思わず....
三国志」より 著者:吉川英治
して重臣たるものがである。 袁紹も怒って、田豊を血祭りにせんと猛ったが、諸人が哀号して、助命を乞うので、 「――首枷をかけて獄中にほうりこんでおけ。凱旋ののち....
三国志」より 著者:吉川英治
胴に持たせておいたが、もう好かろう。いざ祭らん」と、剣を抜き払った。 蔡和は、哀号して、甘寧や※沢も自分と同腹なのに、自分だけを斬るのはひどいと喚いたが、周瑜....
三国志」より 著者:吉川英治
いた。 関羽の前には、魏の総司令|于禁も捕虜になって引っ立てられて来た。于禁は哀号して、助命をすがった。関羽は愍笑して、 「犬ころを斬っても仕方がない。荊州の....
三国志」より 著者:吉川英治
紊すわけにゆかん。首にして街へ梟けるから観念するがよい」 兵は仰天して、雨中に哀号しながら、呂蒙を伏し拝んで、 「命だけはお助け下さい。出来心でございます。何....
三国志」より 著者:吉川英治
はまったく反対な実状が訴えられてきた。 孔明の訃が報じられて、成都宮の内外は、哀号の声と悲愁の思いに閉じられ、帝|劉禅も皇后も日夜かなしみ嘆いていた折なので、....
私本太平記」より 著者:吉川英治
が、七人に中った。遊女らから「――知っている」と、指された顔の持主である。彼らは哀号して、非を叫んだが、ただちに拷問の白洲へ廻されて行った。そこで、何か泥を吐い....