哀楽[語句情報] »
哀楽
「哀楽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哀楽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
《かな》しい事なのか、笑い捨つべき事なのか、嘆き恨まねばならぬ事なのか。……喜怒
哀楽のどれか一つだけでは表わし得ない、不思議に交錯した感情が、葉子の目からとめど....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
之助の心眼に、ありありとして映ってきた。それは、もはや人間の心ではなかった。喜怒
哀楽の情の上にあって、ただ鉄槌を振っている勇猛精進の菩薩心であった。実之助は、握....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
にこの世の中に来て、私の流すところの涙も、私の心を喜ばしむるところの喜びも、喜怒
哀楽《きどあいらく》のこの変化というものは、私の霊魂をだんだんと作り上げて、つい....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
らゆる単語を一々美しい絵入りで説明したものをまず送っておけという説もあった。喜怒
哀楽とか、平常よく繰返される行為を、トーキー映画におさめて送りつけてはという説も....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばならない。妬む、憎む、怨む、羨む、呪う、慕う、哀む、喜ぶ、恐れる。そうした喜怒
哀楽の強い感情がみなぎったときに、かれらの眼のひかりは怖るべき魔力を以って初めて....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
った。よんどころない必要に迫られて、心の奥底から無理に引き出すような言葉は、喜怒
哀楽とか飢渇とかの本能だけしか現わすことの出来ない動物の声のようであった。無論、....
「家庭愛増進術」より 著者:岡本かの子
えないのでしょうね。強いて形容詞のなかへ入れられないような人間同志が無上の信頼と
哀楽と相憐とを共にして生きて居る。―― 既に同一感情と生活意識の上に立って生き....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、停車場を汽車が出ますよ、使い処、用い処に因っては、これが人命にも関われば、喜怒
哀楽の情も動かします。これをでかばちに申したら、国家の安危に係わるような、機会が....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
に沈まんとする瞬間、鳥居の下で再会しよう』との誓約書を取りかわし、人生の明暗喜怒
哀楽をのせて転々ところぶ人生双六の骰子はかくて感激にふるえる両君の手で振られて、....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
、地味にものごとをするというのが、先ず美徳とされている。また一方では、あまり喜怒
哀楽を顔に出さぬ方が奥床しく、立派だという風な考え方もあるようです。日本人の風習....
「「草紙洗」を描いて」より 著者:上村松園
妙な感覚は、口舌で説きえるほど浅いものではありません。 ○ 面は喜怒
哀楽を越えた無表情なものですが、それがもし名匠の手に成ったものであり、それを着け....
「女の顔」より 著者:上村松園
時に写りましたりしてどうも巧くまいらない時が御座いますが、そういう時は、この喜怒
哀楽の表情は写生する事が出来ませんので、どうも自分をモデルに使わなければ仕方が御座いません。 (明治三十八年)....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
たというような依怙贔屓をする者である。チベットの神も皆|然り。いわゆる人間の喜怒
哀楽の情緒をその儘に実行される者である。ところが仏はどんな事があってもお怒りなさ....
「純情主義を想う」より 著者:小川未明
。体質に於て同じからざる人間は、同じからざる考えを抱く。また生活層によって、喜怒
哀楽を異にする。それ等を、公平によって、書くことは不可能なことである。 都市労....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
れる仏陀ということでありまして、人間に相応ずる以上、人間の肉体を持ち、人間の喜怒
哀楽を備え、お腹も減り、病気もされる仏陀であります。しかし、外囲の器物はそのよう....