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哀求
「哀求〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哀求の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「狂乱」より 著者:近松秋江
にお眼にかかって、様子が一と通り分りました」 私は、この上にもなお向うの誠意を
哀求するような心持で丁寧にお礼をいった。幾度思ってみても、全く自分の生命にも換え....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
言い分のように聞えました。 能登守はかえって、お君に向って申しわけをし、或いは
哀求するような物の言いぶりは歯痒《はがゆ》いものであります。お君は始終泣いて泣き....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ンと言い切る。この場になっても竜之助には、これ以上のことは言えない。頭をたたいて
哀求《あいきゅう》するなどということは、どうしたってできないのです。 「よろしゅ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と思うと、それっきり静かで、何も聞えません。 暫くあって、息をしずめたお雪が、
哀求するように言いました、 「ねえ、先生、当分、あの尺八はお吹きにならないように....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
な、ちょっとの間だから、貸してやってくんねえな、頼むよ、おじさん」 米友のこの
哀求は、このままで受入れられるべくもありません。 「ふざけやがるない、こん畜生、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ょうよ、なんだか怖いから、お銭《あし》の音をさせないで頂戴な」 お雪ちゃんから
哀求的に言われたので、米友も、強《し》いてとは進みきれない心持になりました。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
して捕方の迫ることを抑《おさ》え、一方は合掌して、七兵衛が犠牲を殺さざらんことを
哀求する。この場合、「お泥棒様」と言うて呼びかけたのは、窮せるもまた気の毒なもの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
立して、真白い腹を鰭でたたきながら、「子を返せ」「子を返せ」と狂いまわる――その
哀求の声。 茂太郎は、その声でガバと起き上ってしまいました。 外で子をよこせ....