哀話[語句情報] »
哀話
「哀話〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哀話の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母」より 著者:太宰治
うがいいくらいの小旅行であった。 けれども私は、その港町の或る旅館に一泊して、
哀話、にも似た奇妙な事件に接したのである。それを、書こう。 私が津軽に疎開して....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
いう、いかにも江戸っ子らしい、面白い男でしたよ。」 老人が源七から聴いたという
哀話は大体こういう筋であった。 あれはたしか文久……元年か二年頃のことゝおぼえ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
にも判らなかった。 均平は銀子が松の家へ住み込むちょうど一年前に起こった、この
哀話を断片的に二三の人から聴き、自分で勝手な辻褄を合わせてみたりしたものだったが....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
の声やまず、とある。徳右衛門の頑固な法華の主張がこんなところに顔を出しては、この
哀話も、ぶちこわしになりそうだ。困った事になったものである。)ふたたび、庵に住む....
「重兵衛さんの一家」より 著者:寺田寅彦
声を聞く想いがするのである。寝床で母からよく聞かされた阿波の鳴門の十郎兵衛の娘の
哀話も忘れ難いものの一つであった。 重兵衛さんのお伽噺のレペルトワルはそう沢山....
「法華僧の怪異」より 著者:田中貢太郎
が尼僧になったのは、中年になってからで、其の動機に就いては、小説にでもなりそうな
哀話があるということだが、それに就いては語らなかった。 名音が泉の尼寺へ入って....
「焦土に残る怪」より 著者:田中貢太郎
も最も烈しかったのは、函館市の東南になった大森浜であった。従ってここには、多くの
哀話とともに鬼魅悪い話が残っている。 深夜の海岸には、どこからともなくむせぶよ....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
兄弟の幼児だけ不思議に助かったのである。このナヴラティル夫人の物語は、数多い遭難
哀話中のナンバア・ワンとして、タイタニックの名の記憶される限り残るであろう。 ....
「飢餓地帯を歩く」より 著者:下村千秋
がす……」 私はこれ以上を訊くことは出来なくなってしまった。 この、娘を売る
哀話は、青森県の津軽半島へ入ってから実際に聞きもし見もし、私は、その売られた娘と....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
されたわけなのだった。――それとまた、筆まめな良覚法師は、合戦以外の、いくつかの
哀話や巷談をも書き忘れていなかった。 その戦後
哀話の一つ。 ここに。 犬射....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
の花といい、更に転じては「つくつくぼんさん何泣くね」とも歌っていた。それが寒蝉の
哀話からまた移って、土筆を見つける際の呪文のようにまでなったのである。これを要す....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
絶望した斬れ斬れ斬れの罵りの語を空想し、更にありそうなお寺の名を取添えて、一場の
哀話を組立てたなどは、これもまた日本特産の中世の大衆文芸であったろうと思う。 「....