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「品切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

品切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
りない。東の横綱がないんだ。どういうわけか、そこまでは僕も知らない。メンコ屋で、品切れになっていたのかも知れない。持主の男の子は、かねがね、どんなにそれを淋しが....
坊っちゃん」より 著者:夏目漱石
先生なんて、どこへ行っても、こんなものを相手にするなら気の毒なものだ。よく先生が品切れにならない。よっぽど辛防《しんぼう》強い朴念仁《ぼくねんじん》がなるんだろ....
文壇の趨勢」より 著者:夏目漱石
近頃は大分方々の雑誌から談話をしろしろと責められて、頭ががらん胴になったから、当分品切れの看板でも懸《か》けたいくらいに思っています。現に今日も一軒断わりました。....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
側にある。私は、一番大きい――だが、金五円しかしないのを送ろうとしたら、店員が「品切れです、五円のは」と、云った。「じゃあ、三円のでもいい」(実際、三円のでも大....
歯車」より 著者:芥川竜之介
給仕を呼び、スタアを二箱貰うことにした。しかし給仕を信用すれば、スタアだけは生憎品切れだった。 「エエア・シップならばございますが、……」 僕は頭を振ったまま....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
すみ》から他の隅へ梯子《はしご》をもって行かなければならないような時には、平気で品切れだと言った。それに、店を少しも片付けようともせず、また実際きれてる品物を取....
非情の愛」より 著者:豊島与志雄
、小さな酒場「五郎」に名物が一つ出来た。名物といっても、ただ普通の川蟹で、しかも品切れのことが多い。千葉県下の河川で獲れるのだが、数量は少い。樽の底に水をひたひ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
が明治初年の頃、八百善に行き、鯛料理を註文したところ、主人が出て『ここ数日、鯛が品切れでございます』と挨拶した。『それでも昨日某鯛料理店では百人ほどの膳に鯛をつ....
廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
限られ、江戸じゅうの家々が一度に牡丹餅をこしらえる事になったので、米屋では糯米が品切れになり、粉屋では黄粉を売切ってしまった。自分の家でこしらえる事の出来ないも....
魔都」より 著者:久生十蘭
旦那の気に入らないって。その旦那はといえば、早い話がチャンチャン坊主。日本の男が品切れになった訳じゃあるまいし、何も選り好んであんな毛色の違った旦那など持たなく....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
すると買い手の方は要求しているものが其所にあるから、値を聞く。売り手は他店にもう品切れと踏んでいるから、吹っ掛けて出る。一声負けたところで、利分は充分。それに商....
薬局」より 著者:織田作之助
薬局 織田作之助 その男は毎日ヒロポンの十管入を一箱宛買いに来て、顔色が土のようだった。十管入が品切れている時は三管入を三箱買うて行った。 敏子は釣銭を渡しながら、纒めて買え....
謎の咬傷」より 著者:小酒井不木
刑事は言った。「大原の買いにはいったのはインシュリンという薬だそうだ。けれど生憎品切れで、買わずにかえったそうだ」 霧原警部の顔は、この会話をきくと同時に、急....
カンナとオンナ」より 著者:北大路魯山人
に書き入れられて張られる。だから、それを見ると、いま、どんなものがあるか、なにが品切れかということが、すぐに分るようにしてある。 詩人は、それを念入りに読んで....
猟師と薬屋の話」より 著者:小川未明
に山へはいってみましょう。」 「どうぞ、そうしてください。このごろ、くまのいが、品切れで困っているのですから、値をよく買いますよ。」と、薬屋はいいました。 こ....