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「品定〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

品定の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
互に相親睦する集会で、談政治に渉ることは少ないが、宗教、文学、美術、演劇、音楽の品定めがそこで成立つ。現代における思潮の淵源、天堂と食堂を兼備えて、薔薇薫じ星の....
『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
ひ給ひけるなかに」云々の語法は、今もなお上品な物言の婦人に用いられている。雨夜の品定に現われた女らしい論理が、いかにもそれに相応した言葉で、畦織のように示された....
若草物語」より 著者:オルコットルイーザ・メイ
やほやして、いろいろ気にいるようなことを話しかけました。ソファに腰かけて、他人の品定めをしていた数人の老婦人たちは、メグに興味をもち、なかの一人がマフォット夫人....
小公女」より 著者:菊池寛
いらしている時でした。一人寂しく坐っていると、ラム・ダスはよく外を通って行く人の品定めをして、病人の気をかえようとしました。中でも一番よく前を通って行くのは、一....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
ございましょうか」 「へい」と云ったは番頭であった。ジロジロ松吉を見廻したのは、品定めをしたのに相違ない。 「ええどちら様でございますかな?」 居るとも居ない....
女性の諸問題」より 著者:倉田百三
の神秘というもので、そういう感じがないと常識的、取引的、身の振り方をつけるための品定めのようになって恋愛のたましいがぬけるからだ。こんなふうにいうとむずかしい態....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
持って連れて歩くのが幅利きであった。 入学試験の時に上級生たちはもうその写真を品定めして目星をつけるのだった。 私は美少年として選ばれた。初々しいのと、学業....
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ようとして、気の利いた男は劇場へかけつけ、ある者は街をうろうろしながら、女帽子の品定めに時を捧げ、夜会にゆく者は小さな官吏社会の明星であるどこかの美しい娘におせ....
」より 著者:佐藤垢石
と書いた半紙を、二尺ばかりの棒に吊るして、十歳ばかりになる少年が、あまたの旅人を品定めしているのを私らは行列の後ろの方からながめた。 雨村の病気は、予想したよ....
みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
を、ここかしこと捜した。そして、地図の上でみると、どこよりも交通不便な土佐の国を品定めした。夜の急行列車で一気に大阪まで落ちのびた。安治川口から汽船で美しい高知....
次郎物語」より 著者:下村湖人
すぎるほどわかっていた。だから休み時間になると、彼らはそれを材料にして先生たちの品定めをするのに忙しかった。こんな場合、いつも奇抜な思いつきをやるので人気のある....
次郎物語」より 著者:下村湖人
「だけど、こんなこと、いけないことね。受け付けたばかりの印象で、さっそく塾生の品定めをはじめるなんて。」 次郎は頭をかいて苦笑した。朝倉夫人はしんみりした調....
三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
事務的に冷静に米国ふうに事がらを処理していた。媚びず怒らず詐らず、しかも鷹揚に食品定価の差等について説明する、一方ではあっさりとタオルの手落ちを謝しているようで....
縮図」より 著者:徳田秋声
の姿にも意気人柄なところがあった。 彼は何かぴったり来るものを感じ、かれこれと品定めは無用、今まで人の目につかなかったのが不思議と、思わず食指の動くのを感じた....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
た霞の春に蝴蝶と化けて飛ぶ桜の花にもあらで、夏の夕やみにほのかににおう月見草、と品定めもしつべき婦人。 春の日脚の西に傾きて、遠くは日光、足尾、越後境の山々、....