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「品格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

品格の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
や、むしろその蒼白《あおじろ》い顔や華奢《きゃしゃ》な手の恰好なぞに、貴族らしい品格が見えるような人物なのです。翁はこの主人とひととおり、初対面の挨拶《あいさつ....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
くの田舎風ではあったが、決して粗野ではなかった。可憐《かれん》で優しくてそうして品格もあった。厭味とか憎気とかいう所は爪の垢《あか》ほどもなかった。どう見ても野....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
。今までこの女に精神的のものとして感じられたものは、ただ大様で贅沢な家庭に育った品格的のものだけだと思っていたのに、この娘から人生の価値に関係して批評めく精神的....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
り小声で「うるさい婆さんだな」と云った。だが新吉は美貌な巴里女共通の幽かな寂びと品格とが今更夫人に見出され、そして新吉はまた、いつも何かの形で人を愛して居ずにい....
黒百合」より 著者:泉鏡花
は案を拍たないばかりで、 「しかり、あきらめて覚悟をせい。魚の中でも鯉となると、品格が可いでな、俎に乗ると撥ねんわい。声を立てて、助かろうと思うても埒明かんよ。....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
て、私はキッティのところへ手紙を出して、婚約の指環というものは許嫁の娘としてその品格を保つべき有形的の標であるから、その指環の寸法を取るために、すぐにハミルトン....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
地獄に落ちたとは彼等の如き境涯を指すものであろう、真に憐むべし、彼等は趣味的形式品格的形式を具備しながら其娯楽を味うの資格がないのである、されば今彼等を救済せよ....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
語に観念的な内容を捉えようとしたのである。其が民族文学の主題であり、一言で言えば品格であった。柳田先生の与えた影響は、かく仄かなものとして過ぎたが、そう言えば、....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
しい。何と言っても、金戒光明寺のは、伝来正しいらしいだけに、他の山越し像を圧する品格がある。其でも尚、小品だけに小品としての不自由らしさがあって、彫刻に見るよう....
荘子」より 著者:岡本かの子
」 「はい承知いたしました」 遜が一かどの儀容を整えにかかるとき佝僂乍ら一種の品格が備わるのであった。荘子は扉を無器用に開けて土間へ入って来た。快晴の日の外気....
明暗」より 著者:岡本かの子
青春の熱情と共に目醒めさせたものであろうか。しかも、三木雄の智性や熱情は如何にも品格と密度を備えていた。智子の最初の片輪に対する同情は追い追い三木雄への尊敬と変....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
度か巴里の劇場で見たことのあるフランスの名女優セシル・ソレルだ。六十に近い小皺を品格と雄弁で目立たなくし、三十代の夫と不釣合には見え無い。服装は今の身分伯爵夫人....
活人形」より 著者:泉鏡花
纏いたり。膚の色真白く、透通るほど清らかにて、顔は太く蒼みて見ゆ。ただ屹としたる品格ありて眼の光凄まじく、頬の肉落ち頤細りて薄衣の上より肩の骨の、いたいたしげに....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
。また人物そのものにつきても、豪州に移住せしものと南アフリカに移住せしものとは、品格上高下の相違あるを見る。両地ともに新開地なれども、豪州は全くイギリス人のみの....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
より香ばしいといいますが、ほんとに公高は輝いていて、生れながらにして人の長となる品格を備えています。彼のおかげで平民の娘の価値も上り、危く見えた私の地位も段々ゆ....