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哄
「哄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
》されたまま、あの男の来るのを待ってやります。甚内はきっとわたしの首に、声のない
哄笑《こうしょう》を感ずるでしょう。「どうだ、弥三郎《やさぶろう》の恩返しは?」....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
先生が述べ立てている中に、誰からともなくくすくす笑い出した。ただ、それがいつもの
哄然たる笑声に変らなかったのは、先生の見すぼらしい服装と金切声《かなきりごえ》を....
「少年」より 著者:芥川竜之介
つめた。ただ彼等の目にあるものは疑惑でもなければ好奇心でもない。いずれも宣教師の
哄笑《こうしょう》の意味をはっきり理解した頬笑《ほほえ》みである。
「お嬢さん。....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
を見ると、その胸に片足かけるが早いか、突然大声に笑い出した。大声に、――実際その
哄笑《こうしょう》の声は、烈しい敵味方の銃火の中に、気味の悪い反響を喚《よ》び起....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
すね……旦那、ア痛々、」 も一つ拳で、勝誇って、 「酷いも何も要ったものか。」
哄と立上る多人数の影で、月の前を黒雲が走るような電車の中。大事に革鞄を抱きながら....
「海異記」より 著者:泉鏡花
としみじみいうのを、呆れた顔して、聞き澄ました、奴は上唇を舌で甞め、眦を下げて
哄々とふき出し。 「馬鹿あ、馬鹿あいわねえもんだ。へ、へ、へ、魚が、魚が人間を釣....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
つ鐘は、 七ツの鐘じゃ。) と云うのを合図に、 (そりゃ魔が魅すぞ!) と
哄と囃して、消えるように、残らず居なくなるのでござりますが。 何とも厭な心持で....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
に、何を話すともなく多人数の物音のしていたのが、この時、洞穴から風が抜けたように
哄と動揺めく。 女中も笑い引きに、すっと立つ。 「いや、この方は陰々としている....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ある。 技師は真俯向けに、革鞄の紫の袖に伏した。 乗合は喝采して、万歳の声が
哄と起った。 汽車の進むがままに、私たちは窓から視た。人数に抱上げらるるように....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
あないぞ。」と仇口に呟いた。 「やあい、やい」 「盲目やあい。」 小児は一時に
哄と囃したが、滝太郎は俯向いたまま、突当ったようになって立停ったばかり、形も崩さ....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
。是等の男女はチエホフの作中にも屡その面を現せども、チエホフの主人公は我等読者を
哄笑せしむること少しとなさず。久保田君の主人公はチエホフのそれよりも哀婉なること....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
彼の客を歓待する挨拶は簡単だが、心がこもっていた。握手して、肩をぽんとたたいて、
哄笑し、「さあ、始めて下さい。どうぞ召しあがって下さい」と熱心にすすめるという一....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
おくれ、棺を飾るんだから…… 沢本退場。……戸部ととも子寄り添わんとす。別室にて
哄笑の声二人くやしそうに離れたところにすわる。 とも子 今夜帰ったら、私すぐお母....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
「いや何ともいえない、青山辺じゃあ三階へ栗が飛込むぜ。」 「大出来!」 船頭も
哄と笑い、また、 佃々と急いで漕げば、 潮がそこりて艪が立たぬ。 程なく漕....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
身を悶え、命の瀬戸際と振放してフイと遁げた。 愛吉は腕を反し、脚を投出したまま
哄然として、 「ははははおもしろい、汝! 嫌われて何がおもしろい。畜生、」と自ら....