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哈爾賓
「哈爾賓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哈爾賓の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
二台あった。御者《ぎょしゃ》が立派なリヴェリーを着て、光った長靴を穿《は》いて、
哈爾賓《ハルピン》産の肥えた馬の手綱《たづな》を取って控えていた。佐治さんは、船....
「門」より 著者:夏目漱石
「おれみたような腰弁《こしべん》は、殺されちゃ厭だが、伊藤さんみたような人は、
哈爾賓《ハルピン》へ行って殺される方がいいんだよ」と宗助が始めて調子づいた口を利....
「新生」より 著者:島崎藤村
病人の側で田辺の弘とも一緒に成った。岸本の親戚《しんせき》でここに集らない者は、
哈爾賓《ハルビン》の方に行っている輝子の夫、台湾の民助兄、大阪の愛子などであった....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を囲んで、余作君片山君夫婦と話す。余作君は父翁の業を嗣いで医者となり、日露戦後|
哈爾賓で開業して居たが、此頃は牧場分担の為め呼ばれて父翁の許に帰って居る。片山君....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
御案内致しますが、しかし値段のところはちょっと見当が付きかねます。何でも長城から
哈爾賓を越えると爆薬の値段が二倍になる。露西亜境の黒龍江を渡ると四倍になるんだそ....
「人間レコード」より 著者:夢野久作
一つ……」 「何だ……」 「ただ一つ……」 「何がタダ一つだ……」 「あの老人を
哈爾賓から見送って来た朝鮮人が、下関駅でタッタ今電報を打ちました。銀座尾張町のレ....
「冥土行進曲」より 著者:夢野久作
ん済まん。余計な心配かけて済まん。俺の動脈瘤は満洲直輸入だ。大原大将閣下の護衛で
哈爾賓に行った時に、露助の女から貰った病毒に違いないのだよ。アハハハ。自業自得だ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
南京豆の皮を吹く砂まじりの風。 水菓子屋の灯り。 午前十二時十分発。 「
哈爾賓まで」 万国寝台車の一夜。巴里に本社のあるワゴンリイのくるまだ。まるで宮....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
ままで馬車へ乗り降りする処だけを見た、これも細かな表情などは少しも覚えていない、
哈爾賓《ハルピン》で亡くなったのはそれから間もないことであった、それから原敬氏は....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
通訳官の多くは二葉亭の薫陶を受けたものであった。 二葉亭独特の実業論・女郎屋論・
哈爾賓の生活及び奇禍 が、二葉亭は長く語学校の椅子に安んずる事が出来なかった。....
「国境」より 著者:黒島伝治
絹の靴下や、エナメル塗った踵の高い靴や、――そういう嵩ばらずに金目になる品々が、
哈爾賓から河航汽船に積まれて、松花江を下り、ラホスースから、今度は黒竜江を遡って....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ったとき、特に御挨拶があった。大正十四年秋、シベリヤ経由でドイツから帰国の途中、
哈爾賓で国柱会の同志に無理に公開演説に引出された。席上で「大震災により破壊した東....