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哺
「哺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
児だ。火のつくように泣立てるのは道理である。ところで笊の目を潜らして、口から口へ
哺めるのは――人間の方でもその計略だったのだから――いとも容易い。 だのに、餌....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
でごわりまするが。」 「娘は小児です。箸を持って、婿をはさんで、アンとお開き、と
哺めてやるような縁談ですから、否も応もあったもんじゃありません。」 と小刻に灰....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
たった二本ひょろひょろとまとまった気分が行き渡っていた。悒鬱――十六七の少年には
哺めそうもない重い悒鬱を、見る者はすぐ感ずる事ができた。 「たいへんいいじゃあり....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
にも、愛の働きのみは近づきがたき神秘な現われとして感ぜられる。 愛は私の個性を
哺くむために外界から奪い取って来る。けれどもその為めに外界は寸毫も失われることが....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
るを知らざるや。心の眼鈍きものはまず肉によりて愛に目ざむるなり。愛に目ざめてそを
哺むものは霊に至らざればやまざるを知らざるや。されど心の眼さときものは肉に倚らず....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
座間の肩をかりて蹌踉とゆくうちに、あたりの風物がまた一変してしまった。 大きな
哺乳類はまったく姿を消し、体重はあっても動きのしずかな、王蛇や角喇蜴などの爬虫だ....
「獏鸚」より 著者:海野十三
ついても研究してみたかい」 「それはやってみたよ」と彼は不服そうに云った。「獏は
哺乳類のうちの奇蹄目で獏科の動物だ。形は犀に似て、全身短毛をもって掩われ、尾は短....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
――きみ―― 「うっかり声を出して呼んだんだよ、つい。……毒虫だ、大毒だ。きみ、
哺えてはいけないと。あの毒は大変です、その卵のくッついた野菜を食べると、血を吐い....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
おかた生れるとすぐに小兎が死んだんでしょう、雌の方は乳が非常に張っていて、子供を
哺育した模様は更に見えません。彼女は腹立たしげに語ったが、どうも仕方がない。 ....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
おそろしい川で、鰐や、泥にもぐっている“Ragh”という小鱶がいる。 ほとんど
哺乳類のいないこのニューギニアは、ただ毒虫と爬虫だけの世界だ。やがて、独木舟を芋....
「画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
とがありました。 お陰で今も足はたいへん丈夫でございます。四、五年前、信州の発
哺温泉に行きましたが、あの急な山道を平気で歩いて登りました。 私の制作....
「遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
寂しき辺には、到る処として聞かざるなき事、あたかも幽霊が飴を買いて墓の中に嬰児を
哺みたる物語の、音羽にも四ツ谷にも芝にも深川にもあるがごとし。かく言うは、あえて....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
うな昔の観客は、確かに不心得者に相違ないのであるが、その余習のまだ失せない時代に
哺くまれたわたしなどは、“かべす”などという言葉を聞くと、一種の卑しいような、惨....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の種子が、時期来ってますます芽を伸ばさんとし、それと呼応して全宇宙に漲る大生命の
哺み育てんとする作用力が、この種子に働きかけるためだと仏教では考えるのです。内外....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
生と署名したのは、独歩が酔余の達筆である。自分の似顔に鬼のような角を生やして、毒
哺生と名を署したのも彼である。電車の略図をかいて、その下に An Enginee....