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「唄う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唄うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
の魂だったかも知れない。もしそうだとすれば、人間のする事は、貉もする。月夜に歌を唄うくらいな事は、別に不思議でない。…… それ以来、この村では、貉《むじな》の....
婦系図」より 著者:泉鏡花
また小児同志の客があり、草深の一家も来、ヴァイオリンが聞える、洋琴が鳴る、唱歌を唄う――この人数へ、もう一組。菅子の妹の辰子というのが、福井県の参事官へ去年の秋....
海異記」より 著者:泉鏡花
、浜百合の薫より、空燻より、女房には一際床しく、小児を抱いたり、頬摺したり、子守唄うとうたり、つづれさしたり、はりものしたり、松葉で乾物をあぶりもして、寂しく今....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
し存じております。 公子 歌うてみないか。 侍女五 はい。(朗かに優しくあわれに唄う。) 都路は五十路あまりの三つの宿、…… 公子 おお、それだ、字書のように、....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
せぬ、ぶつぶつと唄のようで。」 「さすが、商売人。――あれに笛は吹くまいよ、何と唄うえ。」 「分りましたわ。」と、森で受けた。 「……諏訪――の海――水底、照ら....
紅玉」より 著者:泉鏡花
ろうよ、遣ろうよ。――(一同、手はつながず、少しずつ間をおき、ぐるりと輪になりて唄う。) 青山、葉山、羽黒の権現さん あとさき言わずに、中はくぼんだ、おかまの神....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
んせ。 誰方が見えても通しません、 通しません。) 「あの、こう唄うのではござりませんか。 当節は、もう学校で、かあかあ鴉が鳴く事の、池の鯉が....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
吐いて、真蒼な野路を光って通る。…… 「やがてここを立出で辿り行くほどに、旅人の唄うを聞けば、」 と小父者、出た処で、けろりとしてまた口誦んで、 「捻平さん、....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に居て、白い細い指の先を、染めた草につくようにして熟と聞く。……聞手が、聞手だ。唄う方も身につまされて、これでもお前さん、人間|交際もすりゃ、女|出入も知らねえ....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
った。 大風来い、大風来い。 小風は、可厭、可厭…… 幼い同士が威勢よく唄う中に、杢若はただ一人、寒そうな懐手、糸巻を懐中に差込んだまま、この唄にはむず....
黒百合」より 著者:泉鏡花
あい、さんさ、よんさの、よいやな。 と女の子のあどけないのが幾|人か声を揃えて唄うのが、町を隔てて彼方に聞える。 二人は聞いて立並んで、黙って、顔を見て吻と....
良夜」より 著者:饗庭篁村
思いかえして行く老人あり、振りかえりながら「死して再び花は咲かず」と俚歌を低声に唄うて暗に死をとどむる如く誡め行く職人もあり。老婆などはわざわざ立かえりて、「お....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、朝はやく郊外のハムステッド岡のあたりに出かけたり、夕方から横笛を吹いたり、歌を唄う仲間と一週に一回集ったりした。彼はバスを歌った。 キリスト教の宗派はたくさ....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
いう意味ではない。)の上にあることを信ずるのである。故に三下りの三味線で二上りを唄うような調子はずれの文章は、既に文章たる価値の一半を失ったものと断言することを....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
しかも皓歯…… 番小屋の中から、優しく、細い、澄んだ声で、お優さんの、澄まして唄うのが聞こえました。」 小山夏吉は、声が切って、はらはらと落涙した。 「お聞....