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唇を尖ら
「唇を尖ら〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唇を尖らの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明日」より 著者:井上紅梅
「声がしない。――小さいのがどうかしたんだな」 赤鼻の老拱は老酒の碗を手に取って、そういいながら顔を隣の方に向けて
唇を尖らせた。 藍皮阿五は酒碗を下に置き、平手で老拱の脊骨をいやというほどドヤ....
「郷愁」より 著者:織田作之助
折れれば折れた時のことだと、不器用な手つきで針の先を当てた。そして顔を真赤にして
唇を尖らせながら、ぐっと押し込んでいると、何か悲しくなった。こんなにまでして仕事....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
、一寸だけある」 「ほな、返しに行け」 「…………」 亀公は何か言いたそうに、
唇を尖らせた。 「復員軍人テお前どんなもんか知ってるやろ。たいてい皆いやいや引っ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
盞花が咲いていた。セーニャははいり口から飛び込むと、もう窓に顔を見せて、ぴっと下
唇を尖らした。それから飛びつくように上半身を撓めて乗り出すと、片手を窓枠にしっか....
「まかないの棒」より 著者:黒島伝治
い棒いうたらどれどいの?」 従兄は、例の団栗眼を光らして怒るかと思いの外、少し
唇を尖らして、くっくっと吹き出しそうになった。が、すぐそれを呑み込んで、 「うう....
「黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
旦那が気の毒だと思ってのごった。」 鬱屈した気持の向け場に困っていた捨吉爺は、
唇を尖らして、錆のある太い声で不機嫌に言った。 * 朝の一番....
「土竜」より 著者:佐左木俊郎
がす?」 梅三爺は突然思い出したように、さっきの吸いさしに火をつけながら、また
唇を尖らして、とぎれとぎれに訊いた。 「東京なんか、もう、行く気になれんですね。....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
を剃らせていた客は、議院きっての雄弁家だということを話した。すると、黒ん坊は厚い
唇を尖らせて、喚くようにいった。 「雄弁家だって。そんなこと知らねえでどうするも....
「幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
。硝子に紙をはりつけたら、非常に清らかな感じがするようになった。」 彼女は薄い
唇を尖らせ、眼の光を二三度ちらちらさした。それから上目がちに眼を見据えて唇を噛ん....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
りだした書類をひねくっていた。下ぶくれの短かい顎をきっと引きよせて、意志的な厚い
唇を尖らせた。
阿賀妻は前に置かれた茶のみ茶碗《ぢゃわん》を見ていた。彼の腕よ....
「海流」より 著者:宮本百合子
んてつまらないと思っていますって、はっきり云ってよ」 三輪が薄く紅をつけている
唇を尖らして云った。 「全くだわ、形式じゃないの、ただうわべだけの。各級から幹事....