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「唇歯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唇歯の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
斗南先生」より 著者:中島敦
行を妨げん。他年|煢々《けいけい》孤立、五洲の内を環顧するに一の同種の国なく一の唇歯輔車《しんしほしゃ》相倚《あいよ》り相扶《あいたす》くる者なく、徒らに目前区....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
あ、こんな意味です」 「ははあ、つまり、政府と人民とを対等に見、服従と自由とを、唇歯の関係と見立てたのですな」 「まあ、そんなものです、イギリスか、アメリカあた....
西航日録」より 著者:井上円了
た詩をもって懐を述ぶ。 一夕枕頭思万端、苦眠不是客身単、山河所過皆亡国、志士何勝唇歯寒。 (今夜のまくらもとにあらゆることどもの思いがおこり、眠られないのは旅の....
上海」より 著者:横光利一
亦すでに彼白人の勢力にして、猶、未だ白人の雄心死せざるなり。日と中とは同種同文、唇歯相|依る。例えば中国一たび亡びんか、日本も必ず幸いなし。何ぞそれ能く国家の旗....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
もう取られた羽が閃いている。 おい。仲間の鳥達。列をなして 海を越して行く鳥達。唇歯の親のある中の、この仇討に 己達はお前方を呼ぶのだ。 力を惜まずに、血を惜ま....
三国志」より 著者:吉川英治
入れた。 また、呂布と玄徳には、 「以前の誼みを温めて、徐州と小沛を守り合い、唇歯の交わりを以て、新たに義を結びたまえ」 と、二人に誓いの杯を交わさせた。そ....
三国志」より 著者:吉川英治
。 劉表は郭外三十里まで出迎え、互いに疎遠の情をのべてから、 「この後は、長く唇歯の好誼をふかめ、共々、漢室の宗親たる範を天下に垂れん」 と、城中へ迎えて、....
三国志」より 著者:吉川英治
いま曹軍が南下したので、呉の孫権から、荊州へ救いを求めにきている。呉と荊州とは、唇歯の関係にあるし、姻戚の義理もある。――依って駈けつけねばならないが、魏の曹軍....
三国志」より 著者:吉川英治
親善を呼びもどし、呉に帰っている呉妹夫人を、もういちど蜀の後宮へ容れられて、長く唇歯の国交を継続していただきたい。主人孫権の望みはそれ以外の何ものでもありません....
三国志」より 著者:吉川英治
いとして、呉に修交を求め、呉も張蘊を答礼によこして、それを機会にむすばれた両国の唇歯の誼みは、いまなお持続されている。 これをもって観ると、 魏が、街亭に勝....
私本太平記」より 著者:吉川英治
は、執りもち顔にいった。 「それがしは近江だが、御両所には領地隣りだ。事あらば、唇歯の仲となって扶け合わねば両立しえぬお立場にある。過去一切は水にながして、心か....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、大宰大弐という官職にもついていたし、晩年には日宋貿易の上からも、彼と九州とは、唇歯の関係もただならぬものであったのに。 原田種直という当時の九州平氏の名を挙....
べんがら炬燵」より 著者:吉川英治
次には不寝番の物々しい警戒だった。今朝になって、それとなく訊くと吉良家とは、唇歯の家がらである上杉弾正|太弼の夜襲に備えるものと分った。 内蔵助は、 (上....
大岡越前」より 著者:吉川英治
ら栄転してきて、ここに江戸の治安陣を双璧することとなった。 由来、北と南とは、唇歯の関係にあるわけだが、内実では、どうしても対立的になった。 一つ都府に、二....